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イスラム教シーア派最高指導者が帰国
【バグダッド12日=夕刊フジ特電】亡命先のイランから23年ぶりに帰国したイスラム教シーア派「イラク・イスラム革命最高評議会」(SCIRI)の最高指導者、ムハンマド・ハキム師が米軍の撤退を要求、反米色を強めている。ブッシュ政権はイラク復興人道援助室(ORHA)のガーナー室長を近く更迭して統治体制の建て直しを図るが、ハキム師の動向が“台風の目”となる。
「我々は米英軍を恐れない。この国は独立の維持を求めている。米英軍はこの国から去れ!」
AP通信などによると、11日に南部のナシリヤでハキム師が演説すると、約4000人の支持者は「ハキムは我々の指導者だ」と声を上げた。
その後、約100キロ先のサマワでは「我々は米国の奴隷にはならない」と述べ、約6万人の群集の歓迎を受けた。
米国主導の新政権作りに反発したハキム師は、一方で「我々はシーア派政権を作ろうとしているのではない」と柔軟な姿勢も見せる。
イラン政府の意向を強く反映しているとされるSCIRIだが、アデル・マフディ顧問も産経新聞の取材に、「イスラム革命を目指さない」とイラン革命型の体制変革を否定する。
SCIRIは暫定政権協議の第2回会合にも参加、ハキム師の帰国も「新政府樹立というバスに乗り遅れまいという思いでは」(ORHA筋)と楽観論も出ている。
だが、本紙はすでに報じたように、ハキム師の帰国に先立ち、SCIRIの武装組織「バドル軍団」のメンバー数千人が非武装でイランから帰還して扇動工作を行っているとの報道もある。
米軍の撤退を求めながら、シーア派指導者暗殺が相次いでいるため米海兵隊の護衛を受けるという皮肉な構図のハキム師だが、イラク国民の約60%を占めるシーア派に強い影響力を持つだけに、ブッシュ政権はその動向に神経をとがらせる。
米政府は強硬派の国防総省の意向を受けたガーナー室長らを近く更迭する方針を固めた。
暫定政権の準備や電力復旧、イラク人への臨時の給与支払いや公共機関への復職など一連の復興支援が遅れ、力量に疑問符がついていた。
元軍人のガーナー氏に代わり、国務省出身の元外交官、ポール・ブレマー氏に指導部を一本化することで、軍事占領のイメージ払拭(ふっしょく)も目指す。
イラク復興を軟着陸させようと大きく舵(かじ)を切ったブッシュ政権だが、火種はくすぶり続ける。
ZAKZAK 2003/05/12