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不審船というお芝居第三幕・引き上げの茶番(8)続、犯罪的な海保のウソ
海保が発表した不審船に関わる写真やビデオには、幾つもの虚像がある
。
その中の一つに、覚せい剤らしきものを投棄している様子が、赤外線カ
メラに写っているとして、03年3月14日に公開した3枚の写真がある。
それに関した新聞記事をそのまま転載すると、
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【…2001年12月22日午後5時半すぎ、巡視船に追われる工作船左舷船尾か
ら、海に何かを捨てる様子をとらえた赤外線カメラの映像も公開した。
暗闇の中、かなり離れた位置からの撮影で不鮮明だが、黒い人影が両足
を踏ん張りながら、海に向かって何かをほうり投げ、物体が落ちていく
様子が2枚の写真に写っている。
十管は、覚せい剤ではないかとみて捜索したが発見できなかった。…】
(南日本新聞 2003/03/15)
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その画像構成は、左側が低い2段の階段状になっていて、その中間に立
っている人影を170センチと仮定すれば、右手の部屋らしいものの高さ
は、約170センチ、足元の巾は約19.4メートル、そこから下の高さは
約2メートルとなる。
不審船「長漁3705」の写真で見るその位置は、右手が船橋、足元は船橋
前の部屋の屋根上、左の低い平面は甲板ということになる。
(新聞の記事、左舷船尾というのは、間違いである。
右舷斜め後方からでも、右が高く左が低いアングルとなるが、それでは
、厨房室上のガスボンベやポリ駕篭の関係から足元は絶対平面にならない)
ここから、海保発表の赤外線カメラの写真は、“工作された虚像”と断
言出来る。
船の甲板両舷端には、高さ90センチほどの波よけ装置が取り巻いてい
るから、赤外線カメラの写真では、甲板は反映されず船型の外周つまり前
部屋の高さは、屋根と波よけ間の高さしか、結像しないのである。
「長漁3705」の真横写真を海保発表の30メートルとして計測すると、
船橋前部屋の屋根長さは、約1.9メートル、屋根から波よけ迄の高さは
約1.4メートルで、屋根の長さ1に対し、船橋前部屋壁の高さがは0.7
ほどしか無い。
(註、実際の前部屋壁の高さは、波よけ高さ0.9+屋根から波よけまでの
高さ1.4=2.3にはならない。甲板の排水構造で中央が丸高になってい
るから、実際には、2メートル弱となる筈)
物を投棄しているという赤外線写真のような、屋根長さ1に対し、壁の
高さ1の比には、絶対ならない。
海保は、この虚像を作るに当たって、船橋前部屋壁の高さが、屋根・波
よけ間の高さでなく、屋根・甲板間が結像されると勘違いした設計ミスを
犯したのである。
また、「長漁3705」の船橋前部屋屋根の周囲には、高さ40センチほど
直径4〜5センチの手摺りパイプが設置されているのだが、海保は、この
“虚像製作”に、手摺りを付け忘れている。
何かを捨てているという時間は、午後5時半すぎで【暗闇の中】と新聞
は報じているが、12月22日の東京日没は16時32分、沖縄は約1時間遅れの
17時30分頃であるから、真っ暗ではない筈である。
この時間帯の事件現場状況は、巡視船「みずき」が2度目の船体射撃を
して、ほぼ全弾が命中、17時24分「長漁3705」は船倉付近に火災が発生、
17時51分鎮火するまでの時間と重なっている。
この火災中のビデオ写真は、(第十管区海上保安本部提供)などとして
翌23日頃から、報道されているが、視界は未だ明るく、火炎が船倉付近か
らのものや、船全体から炎が上がっているもの、海上の水面にまで黒煙が
揚がっているものなどある。
麻薬の袋らしいものを捨てているという場所は、火元のすぐ傍、船橋前
部屋の屋根上だから、まさに火炎の真っ只中ということになる。
当然、投棄しているという様子は、火災映像の中に入っていなければな
らなのに、火災映像は翌日早ばやと報道機関に放出されながら、重大な証
拠写真となるであろう投棄写真は、14ヶ月も経ってから、シルエットの不
鮮明な赤外線写真の形で発表するというのは、不条理の極みである。
麻薬の袋らしいものを捨てているという赤外線写真のウソは、沈没した
「長漁3705」と、98年の麻薬密輸事件?に関わったとする、「第12松神
丸」とは同一船であるというウソと、相関関係に在る。