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(回答先: Re: WWさんへ:コメントされた内容の根拠を敢えて問う 投稿者 一読者 日時 2003 年 4 月 13 日 07:51:27)
一読者さん、レスありがとうございます。
>ところで逆に質問しますが、仮にフセインがグルだとしたら、どうしてアラブの民衆
>は、イラク攻撃以前に、「フセインとブッシュはグルだ!こんなイラクの売国奴は放
>逐してしまえ!」と、非難の声を大きく挙げなかったのでしょう?「彼らは近隣に住
>む同じアラブ人ですから、フセインの言動も日本人よりは深く理解できるはずですし、
>数十年間イラクで起きたことも日本人より詳細に知っているはずです」よね?
サウド王室やクウェート・UAE・カタールなどの湾岸諸国諸首長一族を、利権や自己保身のために英米権力とくっついているだけと見るのか、英米権力のためには国やイスラムを裏切る“売国奴”にまで堕落していると考えるのかという問題と共通するものだと思います。
そして、このような問題は、エジプトやシリアなどの非世襲的支配層やイスラム主義のイランにも言えることです。
中東地域とりわけ産油地域(国)は、英米権力から100年を超える策動を受け続けています。そして、戦後は、イスラエルと敵対関係かどうかも米権力がその国を取り扱う重要な関心事になっています。
このように考えているので、イランのイスラム革命も額面通りには受け止められず、亡くなったホメイニ氏の評価さえ留保しています。
アラブの人たちも、こういう歴史的経緯と現実を踏まえ、自分たち及び近隣の国家支配層をさめた目で見る傾向が強いのではないかと考えています。
「どうせあいつらは一族の欲得を基準にして動いているんだ」、「恐いから米国の言いなりになっているんだ」、「現実の力関係とか国益をかんがえたらやむえない政策だ」、「イスラム擁護を語っているが、口先だけだ」などといった見方が交錯しているはずです。
しかし、「あいつらは、米英政権ないしシオニストのエージェントだ」まで言い切ることはなかなか難しいのでは思っています。
フセイン氏及びフセイン政権について“世界支配層お仲間”説を主張してきましたが、それは、「フセイン大統領が米英(世界支配層)の“お仲間”であることをずっと前から主張してきたが、それも、個人的欲得とイラクの“国益”がない交ぜになった動機に基づくものだろうと推測してきた。そして、フセイン大統領や側近の一部は“お仲間”であっても、政権中枢の多数派はそれが理解できていない愚かなバース党の同志たちだと見てきた」というものです。
アラブの人たちが「フセイン及び不正権政権中枢メンバーは売国奴」だと非難するのは、ここ数日の出来事で明確になった事実ですから、論議する必要はそれほどないと思います。(命が惜しいということが動機でも売国奴ですからね)
「フセインはCIAのエージェント」だということに関しては、次元が異なるので、具体的に何をもってそう判断しているのかを知りたいと思っています。
“政治支配者の最終評価は、国家存亡の危機でどういう対応をしたかで決まる”という思いで、アラブの政治指導層が「フセインはCIAのエージェント」だと判断したとしても、それほどの誤りではないと思っています。(他の人たちを説得する力は弱いですが...)