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(回答先: ありがとうございます & 付記 投稿者 ファントムランチ 日時 2003 年 4 月 10 日 17:03:59)
私はあの映像を見ても、アメリカが勝ったとかイラクがアメリカになびいたという印象はまるで受けませんでした。
アメリカに亡命したイラク人を連れてきたり、イラク全土から経済的に困窮した市民を募って、札束を渡し、米軍の味方につけばアメリカに亡命させてやるなどと言って懐柔すれば、たかだか数百人規模の「反乱衆」を即席ででっちあげることなどナンでもないことでしょう。
その為に、ウラをすっぱ抜くのが得意なアルジャジーラTVを攻撃したのでしょうし、その結果彼らが撤退したスキをついてああいう映像を撮ったのでしょうから、一層怪しい。
例の銅像を引き倒しているのは米軍だし、それを踏んだり蹴ったりしている民衆と思しき人びとも、数人から十数人程度に過ぎないようだ。そもそも、政教分離、フセインが個人的にはイスラム支持者でも、政権は社会主義世俗路線政権であることを印象づけるために建てた銅像に、民衆の思いが託されているとも思えないし、当のフセイン政権やバース党員にとっても、特別なショックはないように感じる。街中(あるいは国中)の何万何十万何百万という市民がアメリカに寝返ってフセイン政権を否定しない限り。
無知なアメリカ人の層にとっては効果的な宣伝とは言えるでしょうが、これでバグダッド市民やイラク国民全体がアメリカ支配に屈したと説得するには、あまりにもお粗末なものだと思います。
あの数百人の民衆の中には、彼らに好き放題やらせて油断させ、あとで一気にゲリラ化して叩き潰すという作戦を意識してその場に居合わせた民間人や民間人になりすました兵士が相当数紛れている、という印象もありました。
昔ナポレオンがモスクワに侵攻したが、既に街を焼かれたあとがあり、しかももぬけの殻で、訝しく思いながら敵を待っているうちに冬将軍がやってきてナポレオン軍が敗退した(ヒトラー軍にもそのようなことがあったとか)という話を思い出しました(アメリカ軍が市内に入る前に、大量の市民が市外に疎開を開始したようで、大渋滞が起こったというニュースもありましたね)。宮殿もとっくに放棄されていたようですし。
イラクの場合、冬将軍ではなく熱波将軍や砂将軍ということになるでしょうが・・・。
サハフさんが、「米軍は戦車の中で焼かれる」と言っていましたが、さてさて。
いずれにせよ、アメリカのポチ化した人々そのものを歓迎する市民が大勢になっていることなど、想像もつきませんね。彼らはバグダッドには居つけないでしょう。アメリカに血縁や友人を殺されたり住居やインフラを破壊された人々が、バグダッドに存在しないならともかく(アメリカの報道によれば存在しないことになっているようですが)、事実は存在します。そして、もともとこれは、不条理な言いがかりをもとにした、市民の多くの支持を取り付けることもなく見切り発車した「侵略」なのです。
米兵の中には、彼らが自由に教育がうけられるようになる、などと阿呆でお節介な発言をしている者がいましたが、フセイン政権下で教育は無償で行われ、イラク国民の識字率は95パーセント以上だという情報もある。それが事実なら、アメリカ国民の識字率よりも高いということになります。
無知なアメリカ兵隊から受ける教育など、ロクなものである筈がありません。
今後のイラクにとっても散々な迷惑が続くでしょうが、アメリカにとっても、とんでもない結果が待ち受けているかも知れません。