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【ワシントン=柴田岳】「ゼイ・ガット・イット・ダウン(ぶっ倒したな)」。ブッシュ米大統領は9日午前、ホワイトハウスのテレビで、バグダッド中心部のフィルドス広場に立つフセイン大統領の銅像がイラク市民と米海兵隊の手で倒され、市街を引きずり回される映像を見た瞬間、興奮気味に叫んだ――。
大統領は9日朝、議会指導部との朝食会でイラク戦争への超党派の支持を重ねて要請した後、国家安全保障会議を緊急招集し、イラク全土の制圧に向けた軍事作戦やフセイン政権崩壊後の統治・復興のシナリオなどを、1時間以上にわたって協議した。
そして、米東部時間午前10時45分(イラク時間午後6時45分)、ラムズフェルド国防長官と定例協議を終えて執務室を出たとき、隣の部屋のテレビで、右手を上げた高さ10メートルほどのフセイン大統領の銅像が首に麻縄をかけられて今にも引き倒されようとしている生中継の映像を目にした。大統領は続きを見たかったが、スロバキア大統領と会談しなければならなかった。
約30分後、大統領がテレビの前に戻ると、銅像はすでに倒され、イラク人の手で市街を引き回されていた。「ぶっ倒したな」。大統領が叫んだ言葉は、対外的には慎重姿勢を強調する米政府内にも高揚感が広がっていることを象徴していた。
フライシャー大統領報道官も9日午後の記者会見で「フリーダム(自由)」という言葉を17回も使った。「大統領はバグダッドの道々で歓喜の踊りを舞うイラク市民の姿を見た。大統領の考えは、人間は自由でありたいと望むものだということだ。それはブッシュ・ドクトリン(ブッシュの教え)でもアメリカン・ドクトリン(米国の教え)でもない。『ゴッド・ギブン・ドクトリン(神の教え)』なのだ」
だが、独裁者からの「解放」の歓喜が、そのまま米国への「感謝」として定着するかどうかはまだわからない。
米CNNによると、この日、フィルドス広場のフセイン像によじ登った米海兵隊員が、フセインの顔に星条旗をかけたとき、群衆は静まりかえった。テレビを見ていた米国防総省の記者室ではため息が漏れ、アラビア語テレビの解説者は怒りをあらわにした。星条旗は急いで旧イラク国旗に取りかえられた。
この場面をブッシュ大統領は見ていなかった。(読売新聞)
[4月10日11時27分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030410-00000101-yom-int