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(回答先: イラク戦争:数日で首都制圧 米大統領補佐官が見通し [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 08 日 18:16:31)
04/08 17:25 タカ派野望担い帰国 亡命イラク人チャラビ氏 米内暗闘し烈に
米英軍によるバグダッドの完全制圧が迫る中、米軍が一方的に進
めた亡命イラク人組織、イラク国民会議(本部ロンドン、INC)
のアハメド・チャラビ代表と兵士数百人のイラク移送は、戦後イラ
クの統治形態から石油利権までを含めた論議に波乱を巻き起こすの
は必至だ。
米政権内のタカ派が暫定政府の中心的な存在として担ぎ出そうと
しているチャラビ氏には指導者として疑問の声も強い。同氏の起用
は米国内での論争にとどまらず、欧州や日本など同盟国との関係に
も影響を及ぼしかねない。
「ラムズフェルド国防長官がバグダッド陥落を前に、チャラビ氏
を軸とする暫定統治機構設置を提案」「チャラビ氏を中心とするチ
ェイニー副大統領らのイラク統治機構案をブッシュ大統領が拒否」
―。最近の米マスコミ報道は入り乱れた。
いずれも憶測記事だが、政権内の暗闘を物語る。こうした中、チ
ャラビ氏は米軍に守られクウェートからイラク南部に入った。
「ペンタゴン(米国防総省)が愛し、国務省・米中央情報局(C
IA)が憎む男」。優雅な着こなしの元銀行家でINC創設者のチ
ャラビ氏はこう呼ばれる。
国務省がチャラビ氏を嫌う理由の一つは、米政府が亡命イラク人
支援のためINCに与えている資金の問題。一九九一年から二○○
一年の間だけでも、INCに渡された四百三十万ドルの半分が使途
不明だが、チャラビ氏個人の懐に入ったという見方が有力だ。
CIAは長年フセイン政権内部の情報を探る「協力者」としてI
NCを使ってきたが、ニセ情報が多くチャラビ氏を信用しなくなっ
たといわれる。一九五八年にイラクを出てから祖国とほとんど縁が
ないともいわれ、同氏がイラクの新政権の中核を担うことには疑問
の声が強い。
そのチャラビ氏を担ぎ、国連や他国の関与を排除して米国主導の
イラク再生を図ろうというのが、ブッシュ政権内のタカ派、チェイ
ニー副大統領やラムズフェルド国防長官と、彼らを支えるネオコン
サーバティブ(新保守主義者、通称ネオコン)と呼ばれるグループ
。
彼らの「一国主義的」なイラク再建計画に反対し、国際社会の協
力も視野に入れてイラク国内の各勢力を中心とする民主化と再建を
図ろうとするのが、パウエル国務長官と国務省という構図だ。
経済再建など戦後イラクへの関与を検討する日本など各国もこの
対立の行方を注視している。
ネオコンの狙いは二つとみられている。チャラビ氏は新生イラク
を「親イスラエル」とする方針を表明。これはユダヤ系知識人を中
核とするネオコンの最大のテーマともされる「イスラエルの安全」
という要求に合う。
もう一つは「石油利権」だ。チャラビ氏はこれまで着々と国際石
油資本との関係をつくり、政権掌握後にはイラクの石油産業の完全
民営化を図る意向といわれる。
政治評論家ジョン・ジュディス氏が見るシナリオでは、民営化後
、イラクは石油を国家で管理する産油国でつくる石油輸出国機構(
OPEC)から脱退。世界第二位の埋蔵量を誇る産油国脱退でOP
ECの力は弱まる。
OPEC衰退で中核のサウジアラビアの国際的地位は低下。政変
・民主化の道をたどり、やがて中東全体の民主化によってイスラエ
ルの安全保障と、OPEC衰退による国際石油資本に有利な環境と
いう二つの大目標が達成される。
この壮大な「ネオコンの野望」を担っているのが「問題人物」チ
ャラビ氏で、その動静が世界に注目される理由となっている。(ワ
シントン共同=会田弘継)
(了)
[2003-04-08-17:25]
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