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サダム国際空港の制圧発表から始まり、バグダッド中心部への戦車部隊侵攻という発表まで進んだここ一両日の「戦況」報道は、宣伝活動を超えた創作活動だと受け止めている。
仮に、「戦況」報道どおりに現実が進んでいるとしたら、バグダッド郊外や市内に突入した米侵略軍部隊は、政権の宣伝活動のために生け贄に捧げられたことになる。
なぜなら、まず、アシリア・ナジャフ・カルバラという補給路に位置する拠点都市はどこも制圧されていないから、最前線への補給活動は困難な状況が続き、補給活動を維持するために部隊を使っていることで最前線に部隊を増派することもままならないはずである。
(国際空港やバグダッドは、カルバラよりも60Kmから80kmも遠く、途中には手付かずの市街地地域もある)
米軍発表や他の情報によるイラク側の犠牲者や捕虜の数を考えれば、バグダッド外周で防御ラインを敷いていた部隊が壊滅したとは考え難いし、仮に壊滅しているとしても、バグダッドに関わる重要な防御ラインだから他から補充が行われる。
(バグダッド市街戦で背後から襲う最強部隊はどこかに温存したまま使わない。北側に緊要度はないようだから、北側の防御部隊から回すはず)
米侵略軍が、このような条件で、100両の戦車と100両の装甲車両を繰り出してバグダッド郊外やバグダッド市内に侵攻したとしても、それは、壊滅を覚悟した“自殺攻撃”以外の何ものでもない。
(弾薬の補給車両も帯同しなければならないが、それこそ格好の標的にされるものである)
このような突撃は、マラソンレースや競馬で、勝敗を無視して先頭を走ることで一時の脚光を浴びる作戦となんら変わりないのである。
国際空港やバグダッド市内に突入した部隊は、一時的に火力を生かした攻勢を維持しても、補給や退路を絶たれることで壊滅することになる。
大都市に対する市街戦に入るためには、この「イラク侵略戦争」でもバスラで行われているように、徐々に包囲網を絞り込み、背後からの攻撃される可能性を最大限まで減少させるとともに確実に補給できる条件を確保しなければならない。
クウェートから近く補給条件に恵まれているバスラの英侵略軍部隊でさえ、10日経った今なおバスラ市内に入ることができないのである。
また、バグダッドが情報から孤立化しているわけではなく、イラクの南部や中部の各所で交戦も行われているので、米英侵略軍の動向はイラク政権もつかんでいる。
バグダッドが米英軍に脅かされると判断すれば、まず、市内の要所要所にバリケードが築かれることになる。市内の中継映像がもたらす緊迫感も変わる。
バグダッドに駐在している記者からの情報入手が維持され、現在のバグダッド情勢を知っていながら、米軍発表を鵜呑みにしてそのまま“勝利間近”報道として流す主要メディアは、主体的判断力を完全に喪失しているか、米英政権の宣伝道具に成り下がっていると断定する。
※ それまでハサフ情報相の記者会見を映像付きで流してきたBBCやCNNが、少しだけ映像を使うだけで、ハサフ情報がこう言ったという伝聞情報に終始しているのが気に入らない。
(けっこうTVニュースを見ているつもりだが、国際空港制圧に関するイラク側の主張は生でまったく報じられていない)
また、ハサフ情報相が、「これまでにない非通常的な作戦を今晩敢行する」と予告していたのに、“何もなかったじゃないか。強がりの嘘つき!”といった反撃もない。