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(回答先: Blogが探る!(`_´)カズラジはどこだ情報 投稿者 YM 日時 2003 年 3 月 30 日 21:26:20)
『世界』2003/1
酒井啓子『フセイン政権は「打倒」されるのか』
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イラク軍将校の最大の関心時は、もしフセインに代わる新政権が成立した場合、そこで自分が戦争責任に問われるかどうか、という点であろう。この点について、皮肉にも極めて象徴的な事件は、最近のハズラジ(Nizar al-Khazraji)元参謀総長のベルギーでの逮捕である。ハズラジ元参謀総長は九六年にイラクから亡命し、国外の反体制派への合流を希望した。軍からの亡命者としては最も高いランクにあり、かつ軍事情報を最も詳細に把握している人物の亡命であったから、当然アメリカの対イラク攻撃の重要な「手駒」になるだろう、と見なされたのである。来るべき「新政権」の長としての有力候補のリストにその名前があげられることも、しばしばあった。だが実際にはアメリカは彼の亡命希望を受け入れず、ベルギーで地の反体制派と距離をおかざるを得なかったハズラジは、この11月に自らが参謀総長であった時のクルド民族に対する化学兵器使用を責められて、戦争責任を問われることとなったのである。
このことが、イラク国内にいる軍要人に多大なショックを与えたことは、容易に想像できよう。フセイン政権下で軍団司令官クラスの要職を務める者たちは、多かれ少なかれ、対イラン戦や湾岸戦争後の暴動鎮圧で、自ら手を血で染めてきた点では,ハズラジと大差がない。亡命イラク人の間の議論においても、軍人そのものにどこまで「フセイン独裁」の責任を負わせるべきか、常に非難と自己弁護が激しく繰り返されている。亡命してすでに数年を経ているハズラジが、アメリカがイラクの新政権構想を考えているこの時期にあえて「戦犯」扱いされたことを見れば、国内に残った軍幹部は当然、そこに自らの姿を投影させて見るだろう。フセインに反旗を翻したとろで最終的に「戦犯」として裁かれるのであれば、彼らはフセイン政権を守るためというよりは自らの地位保全のために、抵抗を続けることになろう。
……
*うむ。謀略論系の読みがまだまだだったか。
なお,Nizar al-Khazrajiの発音は上の「ハズラジ」のほうが正しそうですが,
この掲示板の以前の投稿に合わせました。