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バスラの真実を暴露する大惨事の生テープ [インディペンデント紙]
http://www.asyura.com/0304/war29/msg/662.html
投稿者 ファントムランチ 日時 2003 年 3 月 30 日 21:49:44:oswAM6lqBSCW6


●この記事は英インディペンデント紙中東特派員Robert Fisk氏のリポートを、
和訳して掲載しているMANGAMEGAMONDOサイトより転載したものです。

MANGAMEGAMONDOサイトROBERT FISKトップ
http://www.geocities.co.jp/Hollywood/1123/annex/fisk/index.html

英語原文記事
http://argument.independent.co.uk/commentators/story.jsp?story=391460

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バスラの真実を暴露する
大惨事の生テープ

Robert Fisk: Raw, devastating realities that expose the truth about Basra
28 March 2003

二人のイギリス兵がバスラの街道で死んでいる。英米の空襲の被害者である幼いイラクの少女は腹部からはみ出した腸とともに病院に運ばれた。おそろしく負傷した女性が彼女の黒衣を脱がせようとしている医師に悶絶し、悲鳴を上げている。

数百の自軍兵士に囲まれたイラクの司令官は、バスラの中心地に立ち、イラク第二の都市は手堅く死守されたと発表している。36時間以上に及ぶ、バグダッドに届いたアル・ジャジーラの未編集の新着ビデオテープは、痛ましく、大惨事となった実体そのものだ。

テープはさらに、先週、イギリス兵士が伝えるところによれば“陥落され”て“治安が確保された”はずのバスラは、確実にサダム・フセインが掌握していることを証明する。イギリス軍士官の主張にもかかわらず、バスラでの何らかの蜂起は破綻し、政府のトラックから配給のガス容器を受け取るため、辛抱強く列を作ってイラク人が待つ間中、依然、車やバスが通りを行き交っている。

特筆すべきは、バスラ西部上空で炸裂する焼夷弾と近づきつつあるおそらくイギリス軍のものと思われる砲弾の爆発だ。昨日、トニー・ブレア首相がその恐怖を発表したイギリス兵士の死の短い連続映像は、同様にイラク兵士の死をとらえたおびただしい量の場面とは、扱いが少々異なる。イギリスのテレビ局で12年以上にわたり、その映像について首相から非難が出たことがない。

二人のイギリス兵士は、まだ軍服を着ており、道路に横たわっている。腕と足はちぎれ、見たところ、一人は頭部を、もう一人は胸と腹部を撃たれている。

同じテープの別のコマでは、バスラ市民の群衆と武装した平服の男たちがイギリス兵士のジープを蹴飛ばし、車によじ登って踊っているところを映している。このジープが牽引していた国防省のトレーラーはひっくり返され、別の男たちの一団が蹴飛ばしている。たぶん待ち伏せされたのだろう。

さらにバスラからバグダッドへ向かう公道を移動中の未編集のテープに見られるのは、イギリスの無人偵察機である。翼に赤と青の丸い紋章が目視できるそれは、撃ち落とされ、反転したまま道路にある。「軍」と大文字で記された飛行機は、コード・サインZJ300を後部に搭載し、カメラが装填されていると思われる大きな円筒状のポッドが装着されている。

死亡したイギリス兵の映像がどんなに惨たらしいものであろうと、バスラの大病院での映像には及ばない。テープが映し出す英米の爆撃の被害者たちは、運ばれた手術室で痛みのあまり金切り声を上げている。

病院に担ぎ込まれたパジャマ姿の中年男性は頭からつま先まで血まみれだ。台車で手術室へ運ばれた4つくらいの幼い少女の場合、左の腹部からはみ出した山のような腸の処置から。手術前に青い処置服を着た医師が少女の腸の上に水を注ぎ、ていねいにそっと包帯で固定していく。腹部を負傷しているのが見て取れる黒い服の女性は、手術のために服を脱がせようとする医師に大声で叫ぶ。ほかの連続映像には、イギリスのものであろう砲弾の着弾した衝撃から流れた血痕。着弾によってできたクレーターの隣には一組のプラスチックのスリッパがある。

今まで見たことがないアル・ジャジーラのテープの大部分は、バスラが今も変わりなくまったくイギリスの統治下にはないことを示す最初の生々しい証拠である。それだけでなく、一つの主要都市からバグダッドへの道路がいまだ封鎖されておらず、こうして3本のメインのテープはイラク首都に届いた。部下の数百の軍服の武装兵士に囲まれたカレデュ・ハテム将軍は、バスラ通りでインタビューを受け、アル・ジャジーラの記者に自分の兵士たちがイラクの敵に投降することは断じてないと語った。バース党正規軍の姿もまた通りに見受けられ、警官がシェラトンホテル付近でトラックやバスの交通整理をしている。

バスラを取材したアル・ジャジーラのムハマド・アル・アブドゥッラー特派員は、現在のイラクでいちばん勇敢なジャーナリストに違いない。3本のテープに収められた映像のなかには、空襲下の家族にインタビューを実施し、近づいてくるイギリス軍の砲弾爆撃を落ち着き払ってリポートする彼の姿が見られる。ある1本はシャッタル・アラブ川の畔に立つシェラトンホテルが砲弾で被害を受けたことを映している。

それは川岸の映像だ。水路を越えた先のイランを非難するように指さす1980年から1988年のイラクの戦没者の巨大な彫像のそばで、川の汚れた下水をジェリー缶に汲んでいるバスラ住民が映っている。

5日前にイラク政府は市民30人がバスラで犠牲になり、63人が負傷したと発表した。昨日、その数はさらに増え、イラク全土で開戦以来4000人以上の市民が負傷し、350人以上が死亡した。

しかしアブドゥッラー氏のテープでは、過去36時間にバスラ病院の遺体安置所に運ばれた遺体は、発表より少なくとも7体多い。頭部からの出血がまだ止まらず床に流れているその一体は、西側の通信社のためのアラブ人特派員と確認された。

ほかに痛ましいシーンでは、頭部をはね落とされた幼い少女が映っている。赤いスカーフはまだ彼女の首にまかれている。ストレッチャーに横たわるもう一人の小さな少女は、脳と左の耳が見当たらない。別の死んだ子どもは、その両足が吹き飛ばされてしまった。アメリカ、あるいはイギリスの兵器がこの子どもたちを殺したことを示すものは何もない。テープはイラク軍の犠牲者であることを示すものも何も与えてくれない。

しかし、西側の記者が同時にバスラを訪れることをイラク当局が認めていない。これは、イギリスのバスラ攻略の失敗とともに、市街地で継続的な抵抗運動があることをわれわれに示す動かぬ証拠に近いものだ。この数日間、イギリスの管理下でバスラの“治安が確保された”あるいは、そうでなくてもに改善されたといった印象を与える楽観的な報道を行った、とくにBBCの“駐在”記者たちをイラクは退けてきている。このテープはそれが虚偽であることの決定的な証明となる。

さらに二人の男性が映っている映像を見る。いずれも黒人で、イラク兵士が伝えるにはアメリカの捕虜だ。同じ黒いシャツとジャケットを着た彼らへの質問は許可されていない。二人とも緊張した面もちで、彼らのそばのカメラクルーとイラク兵士の人だかりを凝視している。

もちろん、イギリスの司令官が伝えたような、イラク政府への小規模の抵抗が過去数日間に市街地で発生した可能性はまだあり得る。しかしテープを見る限り、蜂起に達することは想像し難く、実際に行われているなら、小規模の銃撃戦以上のものになる。

被害の証拠をもたらす未編集の報道映像は、英米の報道官はバスラ戦について伝えない真実を明かす。イラク人の命がイギリス人の命と同様に神聖である以上、二人の死んだイギリス兵士の場面、あるいはイラクの死んだ子どもたちの映像よりもずっと結果的に、この事実は侵略軍への計り知れない大打撃になるに違いない。

(訳)+(編)apo
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