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(回答先: イラク戦争:米、開戦前から投降交渉開始 狙いは早期降伏 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 23 日 03:44:06)
米英軍はバグダッドへの大規模空爆に踏み切ったが、フセイン大統領の死亡・負傷説やイブラヒム革命指導評議会(RCC)副議長らの大物側近の死亡情報が流れる中、フセイン政権はどこまで持ちこたえられるのか。バグダッドからの情報などをもとに、政権の“被害状況”を検証してみた。(カイロ 秦野るり子)
「われわれは、捕虜を人道的に取り扱い、人権を尊重する」。22日午前、イラク国営テレビはフセイン大統領の声明を伝えた。前夜、バグダッド市内に点在する大統領宮殿など政権中枢が激しい空爆で破壊されたのにもかかわらず、まるで戦況で優勢に立つ側の指導者のような口ぶりだ。
22日朝も、サハフ情報相が記者会見し、前夜のバグダッド空爆で「市民207人が負傷」と発表、米軍を「国際的ギャング」と非難した。20日に米軍が攻撃を開始して以来、同情報相をはじめ、アフマド内相、ジャブリ国防相、ラシド石油相代理が次々と記者団の前に登場しては、米国を口を極めてののしり、懸命の宣伝戦を繰り広げている。
こうした閣僚の動きに加え、国営のラジオ、テレビがなお“健在”であることも注目される。ラムズフェルド米国防長官は、「フセイン政権は統制を失い始めた」と発言したが、首都バグダッドでは少なくとも表面上、フセイン政権は機能し続け、言論機関を含む主要組織に対する統率を失っていないようにみえる。
だが、「異変」の影が政権を覆っていることも確か。
第1に、フセイン大統領の動向だ。死亡・負傷説が流れているにもかかわらず、20日朝の国民向け演説を最後に、その肉声は一切伝わっていない。大統領声明はアナウンサーが読み上げ、連夜、国営テレビが映し出す大統領の映像は音声がなく、いつ撮影されたのかもわからない代物だ。
独裁者にとって、健在ぶりを誇示することは、死活的な重要性を持つ。にもかかわらず、「大統領一家の邸宅が狙われたが無事だ」(サハフ情報相)という言葉を裏付ける証拠は示されていない。
さらには、二男のクサイ氏のほか、イブラヒムRCC副議長、ラマダン副大統領、マジド元国防相の大統領側近3人が死亡したとの報道もある。3人とも、RCCメンバーで、大統領や息子のウダイ、クサイ兄弟に万一のことがあった場合、後継政権を担う可能性のある重要人物だ。
イブラヒム氏は、憲法上、大統領が職務不能に陥った場合に大統領職を代行すると規定された政権ナンバー2の実力者。ラマダン氏とともに、68年のバース党クーデターに加わり、一党独裁体制の中枢を担ってきた。イブラヒム氏は南部、ラマダン氏は北部の有力部族出身で、それぞれの部族から多数の人材を軍に輩出しており、両氏とも党、政府、軍に大きな影響力を行使できる立場にある。
マジド氏は大統領の実父の家系マジド家に属し、大統領のいとこに当たる。国防相や内相などの要職を歴任、大統領の信任も厚い。
こうした死亡情報はいずれも確認されていないが、大統領が腹心の大半を失ったのが事実とすれば、ラムズフェルド国防長官の言葉通り、政権が指揮系統を断たれた極めて深刻な状況に陥っている可能性は否定できない。
また、大統領の対外的なスポークスマン役を果たしてきたアジズ副首相に関しても開戦以来、肉声が聞かれない。国民と記者団の前に登場し宣伝戦を担うのがサハフ情報相らRCCに属さない“二線級”の閣僚だけなのはなぜなのか。
フセイン大統領及び、腹心がたとえ生存していても、このまま姿を現さず安全な隠れ家にこもっているとすれば、兵士の士気及び一般市民の心理にじわじわと影響が広がり、政権の余命を縮めるのは確実だ。
(2003/3/23/02:14 読売新聞 無断転載禁止)