現在地 HOME > 掲示板 > 戦争26 > 558.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 米英軍の「イラク侵略作戦」を読む − 長期化の可能性 − 投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 21 日 00:07:41)
>あっしらさん
開戦となり、普段にもましてのご活躍、本当にご苦労様です。
一応、僕も軍事オタクの端くれなので、地上戦の推移に関して、少しシミュレーションを考えてみました。
イラク軍の兵力は40万ちょっとだそうです。空軍は実質ゼロなので、ほとんど陸軍ですね。で、首都防衛で20万(空挺部隊への備えもあるので)、その他20万として、南部の主戦線に15万配置しているとします。
近代戦においては、ご存知の通り制空権が圧倒的にものを言います。特に平野部での戦闘はその要素が大きい。
巷に出回っているシミュレーションゲームなんかだと、空軍の支援を受けた陸軍は兵力3倍カウントくらいになります。
だから、南部戦線で米英が12万だとしても36万相当、しかも装備もかなり上なので、イラク軍が相当巧妙な戦術を用い、地形を利用してもかなり苦しいでしょう(士気崩壊の度合いによっては数日で壊滅?)。
で、バクダッド進撃の際の補給線の問題ですが、極端な話、「抵抗勢力」が後方にいなければ、制空権もあることだし、裸のトラックを走らせるだけでじゅうぶんです。
では、補給線を分断しうる「抵抗勢力」が出現するかどうかですが、バグダッド以南はシーア派領域なので、「部族的抵抗」はあまり期待できないのではないかと思います(とはいえ、クルドと違い、同じアラブ人・同じイスラム教徒ではあるので、そのへんが微妙ですが)。
それでも米英軍は用心を重ね、後方守備に半分の6万を裂いて配備し、残る6万でバグダッドに迫ったとします。守備するイラク軍はさきほど書いたように20万。
この兵力差でも、イラク側がバグダッドから一挙に打って出る愚を犯せば返り討ちです。しかし、もし仮に、イラク側がスターリングラードのソ連軍のような高い士気を維持し、市街戦を戦い抜くなら、米軍も相当てこずるでしょう。なぜなら、建物ひとつひとつを奪い合い、地下道でも熾烈な戦いが行われる市街戦では、空軍の支援は役に立たないからです。装備も自動小銃一丁あれば、じゅうぶん渡り合えます。戦車はあまり役に立ちません。
だからといって、市街戦突入前に大空襲をやれば、当然国際世論が火を噴きます。
元に戻りますが、もしイラク南部で長期的に砂嵐が吹き荒れるなら、これまた空軍の支援が困難になるので、話の前提もだいぶ変わります。
以上のように、天候、士気、そして南部住民の忠誠心など、不確定な要素が多い戦闘ではないでしょうか?