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(回答先: イラク開戦:米の狙いは、新たな親米政権樹立の道開くこと [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 20 日 16:45:50)
【ドーハ福島良典】今回のイラク攻撃と12年前にぼっ発した湾岸戦争の最大の相違は、戦争目的自体がイラク軍に侵攻されたクウェートの解放という「秩序回復」から、フセイン・イラク大統領の放逐という「体制変更」へと大きく変化した点にある。戦争目的の根本的な違いと兵器の性能向上に伴い、空爆期間の短縮、地上部隊の早期投入、大がかりな心理戦など作戦・戦術面も大幅に様変わりしそうだ。
湾岸戦争は、90年8月のイラクによるクウェート侵攻に対する米軍を中心とする多国籍軍の軍事行動であり、イラク軍をクウェートから撤退させることが目的だった。作戦を指揮したシュワルツコフ米中東軍司令官(当時)は戦争終結時、「我々とバグダッドとの間を遮るものは何もない」と地上部隊によるバグダッド進攻が可能であることを示唆したが、首都進軍は米国の政治決断で回避された。
これに対して、現ブッシュ米政権が掲げる今回の戦争目的は湾岸戦争とその後の経済制裁を生き延びた「独裁者」フセイン大統領の体制打倒であり、イラクの民主化だ。イラクに親米政権を樹立することによって、ドミノ現象のように中東・アラブ世界全体の民主化を促す狙いがある。
新たな目的を達成するための作戦・戦術面での第一の変化は短期集中的な空爆と早期の地上軍投入だ。湾岸戦争時には地上部隊のクウェート入りに先立ち、空爆が38日間続いた。当時は投下された爆弾8万8500トンのうち精密誘導爆弾はわずかに6520トンと少なく、標的破壊に多数の戦闘・爆撃機の投入が必要だったとされる。
今回は全地球測位システム(GPS)を利用した「衛星誘導爆弾(JDAM)」など新型の精密誘導爆弾が大量に使われる見通しで、空爆兵器システムの精度向上により、空爆の期間短縮が可能になったと言われている。しかし、1日当たりに投下される爆弾・ミサイル数は湾岸戦争時を大幅に上回る見通しだ。
地上部隊の早期投入にはバグダッド包囲態勢を早期に構築する狙いがある。米軍はイラク軍に投降を促すパンフレットの大量投下など大規模な心理戦と、地上部隊の速攻でイラクの地方を迅速に押さえ、バグダッドに攻め上る方針とされている。だが、フセイン大統領は米軍を首都市街戦に引きずり込む意向とされ、戦況の推移は予断を許さない状況だ。
また地上部隊がイラク国内に迅速に展開し、重要な戦略拠点を押さえることで、追い詰められたフセイン大統領がイラク北部キルクークなどの油田破壊や、生物・化学兵器の使用などの「捨て身戦法」に訴えるのを事前に防ぐ意味があるとみられている。
[毎日新聞3月20日] ( 2003-03-20-13:33 )