現在地 HOME > 掲示板
> 戦争２６ > 413.html
★阿修羅♪
|
現在地 HOME > 掲示板
> 戦争２６ > 413.html
★阿修羅♪
|
|
【ワシントン中島哲夫】米国の対イラク軍事攻撃の目的は、フセイン政権打倒後、新たな親米政権樹立への道を開くことにある。米メディアは今回の作戦についてフセイン大統領の殺害を狙った作戦であることを明確にしており、民間人の死傷者や生活・産業基盤の破壊を最小限にとどめつつ、一挙に政権崩壊を目指す短期決戦となりそうだ。
開戦初日の空爆の特徴は、９１年の湾岸戦争の際を上回る巡航ミサイル・トマホークや衛星誘導爆弾など集中的に投入していることだ。標的の全容は不明だが、フセイン大統領が居住するとみられるバグダッドの大統領宮殿や大統領親衛隊にあたる共和国防衛隊、秘密警察の関連施設など政権中枢施設を集中的に破壊している模様だ。一方で、民間人の居住区域や湾岸戦争時に爆撃対象とした橋や道路、一般の軍部隊などへの攻撃は避けているようだ。
この狙いは、フセイン政権の核心をなす一部の人的、物的資源を徹底的にたたき、戦意を喪失させるとともに、政権に対する反乱を促すことにある。
そのためにも正確な爆撃が必要で、トマホークはもちろん、レーダーに捕捉されにくいＢ２長距離爆撃機、周辺国の基地や空母から出撃の戦闘爆撃機などは、主にレーザー誘導、衛星誘導などのミサイルや爆弾を投下している。
一方、米軍は既に、数人ずつグループを組んだ特殊部隊をイラク各地に潜入させているとみられるが、早ければ数日中にも陸軍空てい部隊、海兵隊など機動力の高い本格的な地上部隊も投入、速攻を試みる見通し。砲兵部隊のような大口径の火砲は持たないが、要所に素早く接近でき、仮にフセイン政権が生物・化学兵器を使用しても狙いを絞りにくい。
これら早期に投入される部隊の任務には、米国の友好国イスラエルに対する攻撃が見込まれるイラク軍のスカッド・ミサイルや生物・化学兵器散布用の無人機の発見や破壊も含まれる。２年半にわたりパレスチナとの衝突が続く中、イスラエルが対イラク攻撃に加われば、米国はアラブ諸国の協力を得にくくなる。湾岸戦争時にはスカッド攻撃で多数の死傷者が出たにもかかわらずイスラエルを説得し、反撃を自制させた経緯がある。
湾岸戦争での打撃もあり、戦後、イラク軍の戦力は戦前の３分の１になったとされる。また、航空戦力が弱く、米軍が制空権を握るのは容易とみられる。空てい部隊や海兵隊が北部のクルド人支配地域、南部のイスラム教シーア派居住地域などに拠点を確保するのも比較的容易なはずだ。
問題は、初期段階でフセイン大統領の殺害に至らず、陸軍の歩兵師団や機甲師団を投入し、バグダッドへと進撃し始めてもフセイン政権が崩壊しない場合だ。これらの部隊は比較的進攻速度が遅く大規模部隊ということもあり、イラクがもし化学兵器などで反撃した場合は被害を受けやすい。また、イラク軍が一般市民をはじめ、重要施設周辺に張り付いた外国人の平和運動家らを「人間の盾」とし、市街戦に持ち込んだ場合、攻略に伴い多数の犠牲者が出る恐れがある。
［毎日新聞３月２０日］ ( 2003-03-20-13:33 )
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。