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(回答先: 「米軍のバグダット攻略計画」観測2 投稿者 YM 日時 2003 年 3 月 19 日 06:55:12)
〈陸軍待望の最新型デジタル重師団（師団ＸＸｌ）として誕生した第４歩兵師団〉
二〇〇三年一月二〇日、レイモンド・Ｔ・オデイルノ少将率いる第４歩兵師団アイアン・ホースは、テロリズムに対する汎地球戦争』を支援するため、中央軍作戦地域への出撃を命じられた。
兵力は戦時配属を含めて一万六五〇〇人。さらに同師団を兵軸面（補給・輸送・衛生等）で支援するため、第１３軍団支援団（第３軍団：約二万人）も派遣された。オディルノ将軍は「大統領は我が師団への信頼を抱いている。我々は完壁に任務を達成できるであろう」と語った。
実を言えば、この第４歩兵師団は、一九九五年に、第２機甲師団ヘル・オン・ホイールを母体に、旧第４歩兵師団アイヴィを再編成して創設された新規師団で、併せて愛称も機甲部隊らしいアイアンホースに変えられたのである。重要なことは創設の目的で、これは米陸軍最初のデジタル師団に改造するためとされている。
デジタル師団とは、米陸軍が、一九九四年から推進してきた陸軍近代化計画『フォースＸＸＩ（２１）構想』、つまり二一世紀に圧勝できる部隊（フォース）を生み出す計画に基づき考案された新世代の重（機甲／機械化）師団である。
フォースＸＸＩ構想の骨子は、情報を最重要な要素と考え、高度に発達した情報・通信技術（ＩＴ）の全面的な導入により、陸軍のデジタル化を図ることであった。
デジタル化とは、陸軍内の様々なシステムが取り扱う情報媒体（データ、音声、画像）を、すべて二進法による０と１の列からなるデジタル信号（数値変換処理）により交信するシステムに切り替えること。これによって各種の通信手段（デジタル無線・有線・衛星通信）を利用した広範囲な戦術情報の接続・集配信と、コンピューターによる完全な指揮統制が可能になるのである。
（略）
さて第４歩兵師団は、創設後、最初のフォースＸＸＩ構想の実験部隊として、五年間の先進戦闘実験を繰り返し、二〇〇一年、遂にデジタル重師団として戦力化された。戦力化とは、単にハードであるデジタル指揮統制システムを完備しただけでなく、師団全体が、システムを有効に使いこなす技量レベルに鍛え上げられたという意味である。
（略）
まず同師団は歩兵師団（機械化）と呼ばれているが、実際には正真正銘の機甲師団である。と言うのも三つある機動（戦闘）旅団の中の二つが機甲旅団、一つが歩兵旅団の構成になっているからだ。
戦車大隊は合わせて五個、騎兵大隊（戦車とヘリ）一個、歩兵大隊（ブラットレー戦闘車）は四個である。因みに第３歩兵師団は、機甲旅団一個と歩兵旅団二個の機械化師団編成になっている。師団兵力の平時定数は、一万四九五六人（予備後五四人台む）
（略）
このようにコンパクト化したにもかかわらず、第４歩兵師団（以後、デジタル重師団と記す）の作戦能力は、大きく向上しているという。米陸軍指揮参謀大学の『ミリタリー・レヴュー（１９９８年５１６月号）』誌によれば、デジタル重師団の作戦区域（ＡＯ…敵を制圧可能な戦闘正面の範囲）は、砂漠の嵐作戦に参加した湾岸戦争型重師団に比べ、二四〇％も増加したという。
（後略）
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。