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(回答先: Re: 現時点でも南部地域の侵略軍制圧都市はゼロ − 金曜日に制圧したと発表されたウムカルクでもなお激戦続く − [BBC/ABC/アルジャジーラ] 投稿者 猫人 日時 2003 年 3 月 24 日 01:08:01)
猫人さん、こんばんわ。
『【イラク侵略戦争のゆくえ】 傲慢者らしく“願望”と“信仰”で作戦計画を立てたブッシュ政権 − 戦闘の勝利さえ危うい実情 −』( http://www.asyura.com/0304/war26/msg/826.html )でも書きましたが、イラク国内のクーデタや反乱と呼応することで短期間も占領支配までいけると踏んでいたようです。
昨日書いたものですが、今日の報道を見聞きしてさらに、そうだったに違いないと思っています。
> 今のアメリカの戦略はどう考えても短期戦のものに思えるんですよね。主力軍は都
>市を無視して突き進んでいますし、これはやはり短期戦の構えに見えるんですが、も
>しバグダッド付近で長期戦になったらどうするんでしょう。
イラク侵攻作戦は短期決着型で立案されたはずです。
南部地域で都市が制圧できていない要因は、短期戦シナリオの前提である反フセインの動きがないことだと思っています。
米英軍が南部地域の都市に侵攻すれば反フセインの動きが起き、スムーズに制圧できるという“願望”的予測で作戦が立てられていたためです。
(ウムカスルやバスラで抵抗を受けるとは予測していなかったという現場指揮官のコメントを聞いて、「こりゃ、ダメだ」と思いました)
米英政権は、首都バグダッドはフセイン政権側は握り続けるとしても、南部は“解放”でき、北部もクルド人一部勢力と連携しながら掌握する。
だから、補給や挟撃を心配しないでバグダッド攻囲戦に臨めるはずだと考えていたようですね。
そして、バグダッド以外のイラクが親米勢力で支配される事態になれば、フセイン政権は遠からず内部対立で崩壊し、バグダッドには無血入城できると期待したんでしょう。
(制服組はそんな能天気な作戦に抵抗したはずですが、文官に押し切られたと推察します)
バグダッドに向け進撃しているのは、現段階では主力ではなく先遣隊のようです。
>空軍力が強いから、後方の兵士に退路を断たれる事(もしくは挟撃)は無いと考えてい
>るのでしょうかね。でも、拠点になっている都市はまだ一つも制圧できてないみたい
>だし、アメリカは当初の戦略が失敗したのかな。
空軍力は、陸上部隊に対し、総崩れの防波堤にはなりますが、勝利を保証するものではありません。
南部地域が制圧できなかければ、挟撃されないとしても、補給が絶たれることになります。
米英侵略軍が愚かであれば、このまま行けるに任せてバグダッド近郊まで進撃するかもしれません。
その場合、フセイン政権側が初めからそれを意図した作戦をとっていれば、主力部隊があるラインを超えた時点で南部側から総攻撃を仕掛けられ、空軍力のみでなんとか生き延びるという最悪のケースも考えられます。
戦略という立派なものではなく、フセイン政権内部の対立や地域の反乱を期待するという信じられない作戦計画を承認した時点で米英の勝利は手から滑り落ちました。
(作戦計画は、イラク側が一枚岩で対抗するという前提で立案されるべきものです。寝返りや反乱があれば、それだけ楽になってラッキーというものです)