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(回答先: ▼原油相場@/25〜30$レンジ相場、もうしばらく続く可能性 [Yen Dokki!!] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 26 日 16:04:51)
日本ユニコム・調査部長の渡辺勝方さん(Katsunori Watanabe/Director, Research Dept, Nihion Unicom Corporation )は、来週の石油価格見通しについて、次のようにコメント(ほぼ原文通り)するーー。
<特に、米国においては対前年1億バレル低い状況> 以下では在庫変動の観点から述べてみたい。4月末時点での日・米・欧の民間石油在庫は約20.2億バレルと推測され、対前年で2億バレルも低い状況にある。とりわけ米国においては対前年1億バレル低い状況だ。現在日量100〜150万バレル程度のスピードで積み上がっていると推定されるが、それでも今年の6月末はせいぜい21億バレル強だから、昨年6月末時点の22.56億バレルに比べなお1.5億バレルも低いということになる。この観点からは6月末までにWTI原油価格が大幅下落する可能性は低いといえよう。
<在庫増のカギ握るイラク原油輸出の再開・規模> では、3Qにはどのような展開となるだろうか? 昨年3Q中は同在庫が0.7億バレル減少し、9月末時点21.8億バレルとなった。もし今年3Qでの在庫積み増しペースが日量100万バレル内外で推移すれば、9月末までに前年に追いつく可能性が出てくる。そのカギを握るのがイラク原油輸出の再開とその規模である。来年、再選を控えた米ブッシュ大統領としては早くイラク原油輸出を軌道に乗せ、米国の原油在庫を積み増すことで、原油価格を押し下げ、物価の安定と景気の拡大につなげたいとの考えが強いのではなかろうか?であれば9月末までに日・米・欧石油在庫が対前年に追いつく可能性は5割以上あると考える。ところが昨年3QのWTI価格推移は概ね26〜31ドルであるから、今年の価格もそのレンジを意識した展開となろう。
<想定される「番狂わせ」3つの要素> ただし、いくつかの番狂わせの要素はある。まず指摘しておきたいのがベネズエラ情勢である。同国は昨年末から今年2月にかけ反大統領派が大規模なゼネストを展開し、経済がマヒ状態に陥った。そのストの争点となったのがチャベス大統領退陣のための国民投票の是非である。今年8月19日以降はその国民投票の正当性が憲法で保証されるため、今年の3Q中に再び反大統領派が、大規模なキャンペーンを展開し、国民投票を実施する可能性がある。その結果、同大統領が退陣に追い込まれれば、原油価格は鋭く下落する可能性がある。同大統領は親OPEC派である一方、反大統領派は、外資を積極導入することで同国の産油能力の拡大を図りたいとの立場だからだ。
第二にはサウジにおける大規模テロ発生リスクの増大である。すでに今月に入り各地でアルカイダの犯行と思しき自爆テロが頻発している。サウジの米・英大使館が相次いで閉鎖を決定するということは、尋常な事態ではない。サウジにおける治安の悪化は、直接石油セクターへの打撃を意味しなくとも、市場心理としては供給懸念を掻き立てる。これは上げ材料といえよう。ただし大規模テロが米国で発生した場合には需要減少につながり弱材料となることに留意が必要だ。
第三にはSARSの影響である。とりわけ中国が農村部への拡大を食い止められるかどうかが焦点だ。3Q中に完全に収束させられなければ、冬場に再び大流行するとの説もあり予断を許さない。これは当然下げ材料となる。