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(回答先: 日銀、量的金融緩和の目標を5兆円上積み [読売新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 30 日 17:46:13)
日銀が30日、追加的な金融緩和に踏み切ったのは、銀行株急落などで経済の先行きに対する危機感を一段と高めたからだ。「効果はほとんどない」(民間シンクタンク)が、金融システム危機を未然に防ぐのが狙いだ。また、展望リポートを見直して「インフレ参照値」などを視野に入れた議論を始めるなど、デフレ克服に取り組む“機動的な日銀”をアピールすることに腐心したと言える。ただ、政府・与党には「より一層、金融を緩和すべきだ」との声は強く、株価指数連動型上場投資信託(ETF)購入など具体的な行動に移すまでに残された時間は刻々と少なくなっている。
決定会合では、量的緩和の目標としている当座預金残高を22兆〜27兆円に5兆円引き上げた。金融市場だけをみれば、比較的落ち着いており、追加緩和の必要性は低いが、最近の株価は21年ぶりの低水準に落ち込み、反転するきっかけもつかめていないことが、量的緩和の拡大に踏み込ませた最大の理由。特に銀行株は深刻で、みずほフィナンシャルグループが28日に旧額面(50円)換算で60円を割り込むなど、危機的水準にある。
会合後会見した福井俊彦総裁は、「(株価下落は)金融機関によっては資金繰りの心配が出る感じもある。その先の実体経済への悪影響もあり、相当注意が必要だ」と経済の先行きに配慮したことを説明した。
ただ、果断な反応にも見えるが、実際は当座預金残高は25兆円強と、現行目標の上限(22兆円)をすでに上回っている。目標を超えて上積みできる「特例」が常態化しており、実態の追認ともいえる。また、4月に日銀当座預金を開設した郵政公社分が想定(2兆円)を大きく上回っていた。「資金の目詰まり解消を目指し知恵をふり絞るのではなく、従来の量的緩和路線に戻ったように映り、効果もない」(第一生命経済研究所の熊野英生主任研究員)との指摘があり、購入資産の拡大検討など「本命視」される政策ではないことも確かだ。
一方、展望リポートは、今回から金融政策の点検とデフレ克服の展望の項目を追加した。「どこまで書き込めたか分からない」と福井総裁も認める程度の見直しにとどまった。ただ、「物価安定は数値で表せない」としてきた日銀が、目標を明確に掲げるインフレ目標策や望ましい水準を示すインフレ参照値などについて、本格議論し始めている。今後、展望リポートの「金融政策リポート」への衣替えなどを含め、透明性向上に向けた出発点にはなった。 【白戸秀和】
[毎日新聞4月30日] ( 2003-04-30-23:27 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20030501k0000m020143000c.html