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(回答先: [日経] 株、売りは代行返上に限らず? 期待遠のき、試練の小泉3年目 小泉内閣三年目に関する諸ニュース 投稿者 Ddog 日時 2003 年 4 月 23 日 23:43:44)
「小泉売り」に転機は来るか――日経金融スクランブル
あと10日足らずで小泉政権は誕生2周年を迎える。発足直後の2001年5月7日、抜本的な構造改革への期待を背景に、日経平均株価は1万4529円41銭まで上昇した。それから約2年。日経平均はおよそ半値の7821円90銭に沈んだ。期待が空振りに終わったことを思い知った市場では、売り手が圧倒的優位に立つという状況が続いている。
ある国内ヘッジファンドの運用責任者と会った。ニューヨークを本拠とする大手ヘッジファンドで修行し、さまざまな投資手法を身につけた同氏だが、日本株への投資戦略はいたって単純だ。
「とにかくずっと空売りしていればいいんですよ」。個別銘柄の動きはともかく、市場全体の下落は避けられないと踏んで、株価指数先物を集中的に空売りしている、というのだ。
昨年2月の空売り規制のような策が出て「もうけが減るかもしれない」から、決算期末の3月末、9月末に向けてはやや売りポジションを少なめにする。それでもおおむね運用資産の3割前後に相当する額を、常に売り建てているという。日本株の買い持ちはまったくない。
「売り一辺倒」の運用手法はどんな成果を生み出したのか。シミュレーションをしてみた。
日経平均先物が「小泉改革相場」の高値である1万4590円を付けた時点で100万円相当分を空売りし、週末の終値で買い戻す。その後、週初に空売り、週末に買い戻し――という行動を機械的に繰り返す。17日の取引終了時点まで、約2年間にわたる運用成績がプラスになったのが62週。それ以外の40週ではマイナスだった。
とはいえ株価反発も大きな下げ相場のなかでの「あや戻し」に過ぎず、17日までの投資収益は70万1890円に達した。もうけを次々に再投資して複利で収益が拡大したため、投資収益率はざっと70%。同期間の先物の下落率46%を大きく上回る結果となった。
これまでの運用成績は極めて良好だが、「売り一辺倒」のポジションはいったん株価が本格的に反発すれば、大きな損失を被る危険性も抱えている。
このヘッジファンド責任者も「小泉政権が誕生した当初は怖かった」。その後の政策の停滞ぶりを目の当たりにして、先物を空売りする恐怖心が薄れていったという。今でも「小泉政権の構造改革路線は看板倒れで、基本は『売りから入る』状況に変わりはない」とみている。
「金融システムは複雑骨折しており、最悪期を過ぎたとは決して言えない」。市場関係者の間では、こうした見方が強まっている。ある欧州系資産運用会社のファンド・マネジャーは「公的資金注入など抜本的な手が打たれれば、株価は本格的に反発する」と先行きを予想するが、現時点では日本株の保有比率を低く抑えている。「小泉政権下で問題の先送りが続く」と見ているからだ。
こうした市場参加者のあきらめは、債券市場により鮮明に表れている。長期金利は株安、景気低迷の長期化観測を背景として0.6%台まで低下。「債券バブル」を指摘する声は高まるばかりなのに、買いの勢いが鈍る気配は感じられない。
とはいえ、日経平均が7000円台に落ち込んだことで政策当局や企業の危機感が募り「さすがに下げ余地は限られてきた」(米系ファンド)とする見方も広がり始めた。経済三団体が株式売却への課税凍結を提案し、17日には中原日銀審議委員が「大胆な政策転換を考える事態もあり得る」と発言した。思い切った景気対策、資本市場の活性化策が打ち出されると「売り慣れ」した空気が急変し、ろうばい的な買い戻しが続く可能性もある。
ヘッジファンドが、売り一辺倒の戦略をあきらめるのはどんなときか。冒頭の運用責任者の答えはこうだ。「既得権益を吹き飛ばすような規制緩和、不振企業のとう汰。そして、政権誕生時に市場が抱いた変化への予感が、実現に向け動き出したとき」。ヘッジファンドは「真の改革」を見極めようとしている。(山下茂行)