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[日経] 注目会見 奥本日証協会長、「税率ゼロでも意外感あるかどうか」
【NQN】日本証券業協会の奥本英一朗会長は16日の記者会見で、後任
の次期会長が大和証券投資信託委託会長の越田弘志氏に内定したことを
明らかにした。さらに奥本氏は、日本経団連など経済3団体が株式に関
する税制見直しを提言したことについて、「変わったばかりの(今の)
税制の徹底を図ることが先決」と話し、協会としては再見直しに消極的
な姿勢を示した。奥本氏と記者団との主なやりとりは以下の通り。
――次期会長に越田氏内定との報道があったが。
「本日、会長推薦委員会の座長で日興コーディアルグループの金子昌資
会長から、越田氏を推薦する旨の説明があった。(大和証券出身者が2
人続くが)推薦委としてはグループ、企業にとらわれない人選の結果と
聞いている。大和証券グループ本社の原良也社長からは、大和以外から
人選して欲しいとの打診があった模様だが、(最終的には野村、大和、
日興コーデの)大手3社も新会長をサポートする意向を示している。越
田氏が選ばれた理由について、特に報告は無かった」
――本来は野村証券から新会長を出すべきだとの声もある。
「もっともな意見だし、業界内にも『野村待望論』があったと推測して
いる。推薦委でも、野村から出すかどうかは真剣に議論したようだ。野
村ホールディングスの氏家純一会長も(5回開かれた推薦委に)すべて
出席し、積極的に議論に参加したと聞いている。ただ野村からは適任者
がいないという事だったようだ」
――経済3団体による証券税制見直し提言や、年金の代行返上ルール緩
和について、日証協としてはどういうスタンスか。
「経済団体の主張に反対するものではない。ただ、今年度税制改正で証
券税制の抜本的な改正が実施された直後でもある。(今そういう議論を
すれば)いたずらに投資家の混乱を招くのではないか」
――肝心の協会長トップとは思えぬ慎重な発言だが。
「いまは新税制の徹底をしている最中ということだ。(株式譲渡益課税
などを)いまゼロにしても、市場にサプライズがあるかは分からない。
ただ、現在の株式市場の低迷については真剣に危機感をもっており、こ
うした危機感を共有することは大切だ」