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[日経] 円下落、戦勝ムードの背後に外債投資の思惑 ヘッジ外しも
【NQN】4日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=120円ちょうどまで下げ幅を広げた。3日の海外市場で強まった「戦勝ムード」を引き継いで始まり、米英軍の優勢が伝わる中で国内勢の間でも円売り・ドル買いが強まった。イラク戦争の行方はなおも不透明だが、国内での投資環境が厳しいため、「国内勢の対外投資」が改めて意識され始めた。
邦銀の外債投資はドルなどの外貨を借り入れて米国債などに振り向ける「外―外」型が主流。一方、生命保険会社などは円をドルに換えて投資するが、為替差損を回避した上で運用する「ヘッジ付き」の外貨建て債券投資が増えた。この手法では外債の値上がり益が得られても、内外金利差分がヘッジ費用となるので高い利回りを享受できない。株価の低迷が続き、リスクがとりづらいので外債の残高自体が急増する環境にないとはいえ、ドルの先安観が薄れれば、既存分のヘッジ外しが出てもおかしくはない。
国内投資家の中には中長期の外債を保有しても、期間が1―6月物の為替予約(先物の円買い・外貨売り)でヘッジするケースがある。保有債券の償還前に為替予約の期日が到来するため、予約を更新しなければヘッジなしの外債投資と同じ効果が得られる。これが「ヘッジ外し」の取引で、相場が円高に動きそうになった場合、予約を改めて締結すれば為替リスクは回避できる。イラクとの開戦が迫り、戦争の短期終結期待が高まった3月19日にも海外市場で「ヘッジ外し」が取りざたされた。
この記憶がまだ新しいだけに、戦況の進展で国内勢の同様の動きを連想させた面もある。
財務省が3日公表した週間の対内対外証券投資(3月24―28日、約定ベース)によると、対外債券投資は差し引き7057億円の買い越しになった。統計では為替リスクをとった運用がどの程度あったのかは判断できないが、海外勢の間では「国内勢が資金を外に振り向ける傾向は今後も続く」との受け止め方も多かった。ただでさえ4月は新年度入りで外債投資の思惑が高まりやすい時期。各社の運用担当者の口はまだ重いが、新年度の運用方針が今後徐々に明らかになってくるだけに、国内機関投資家の動きから目が離せない。(今 晶)