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東京 4月4日(ブルームバーグ):産業再生機構内に設置され支援対象企業の選定など重要事項を決定する産業再生委員会の委員長に内定している高木新二郎氏(弁護士、元独協大教授)は4日午後、内閣府内で記者会見し、機構が支援する企業の業種について、過剰債務・過剰供給を抱える代表格であるゼネコンや流通も「ダメということは全く考えていない」として、これらの業種も区別せずに扱う考えを明らかにした。
高木氏は、政府が金融機関の不良債権について今後2年程度での半減を目指していることに関連し、「銀行の体力の範囲内で、傷を負わないで痛みを伴わないで済まそうとすると、2年以内で半減というのは難しい」と述べ、「外科的手術」の必要性も指摘。過剰債務を抱える企業は「荷を軽くして元気はつらつとした会社にしたい」と抱負を語った。
一方で高木氏は、債務カットを受けた企業の経営者責任については、細かく対応している時間がないことなどを理由に「重要ではない」と述べ、「安心して案件を機構に持ち込んできてほしい。細かいことは言わない」とアピールした。
機構が企業を支援する場合には、3年間という短期間で、再生計画終了時の買い手という「出口」まで見定めて計画を立てて銀行から債権を買い取ることになる。このため途中で修正する必要のないような「深堀り」した再建計画が必要になると、高木氏は語る。
ただ、再建計画が持ち込まれた段階で、「閻魔(えんま)大王」のようにいきなり企業の生死の即断はせず「いろいろ相談したい」と語り、できるだけ再生に向けて取り組む姿勢を示した。1号案件の業種・企業は「分からない」としつつも、「早くやりたい。1号どころか1から10まで一遍に始めたい」との意欲を示した。
不況が相手
ともに会見に臨んだ機構社長に就任する斉藤惇氏(野村証券元副社長)は、バブル崩壊後も経済が低迷、不良債権問題を抱えている現状を踏まえ、過去10年以上にわたって政府の不良債権対策や景気対策が「有効ではなかった」と指摘。「官民一体、挙国一致体制で具体的な手段を講じなければならない」と語った。
斉藤氏は機構への政治的圧力の可能性について、「国民全体が必死になって脱出しようとしている不況が相手」と述べ、「自分の利益のために動こうとすることは恥ずかしいことだ」と言明した。
斉藤氏は、債務超過に陥った米国の貯蓄貸付組合(S&L)を整理したRTC(整理信託公社)の例を挙げ、当時米国では政治的な圧力があったものの、圧力をかけた政治家の名前とその内容を毎週公開した結果、その後圧力が無くなったことを紹介。そのうえで、「そういう圧力があれば、皆さんの力で排撃してください」と記者団に呼び掛けた。
また海外の投資家は同機構を「非常に熱い目で見ている。一部のブローカーは日本株推奨を開始しているが、これが本当に動き出したら日本は動くと言っている。しかし相変わらず何かの妥協であれば、日本は総売りと言っている」と指摘し、日経平均株価が8000円台まで下落している現状を踏まえ、背水の陣で望む必要性を強調した。
「一流のドクター集める」
同じく会見に同席した実務トップを務める業務執行最高責任者(COO)に内定したコンサルティング会社のコーポレイトディレクション元社長の冨山和彦氏は、日本企業はバブル期に「ある意味で天変地異、不可抗力に近いような形で過剰債務を抱えた」と述べた。そのうえで、企業が人も採用せず、設備投資や研究開発に前向きになれない状況が続けば「会社の中身は腐っていく」と指摘し、「この状況は早く脱却させなければならない」と訴えた。
自身の役割については「(不良債権・過剰債務問題を解決するため)日本中の一流のドクターを集めなければならないというのが私の使命」と述べ、「日本で最高の企業再生・再建の英知をここに一旦集中させ、そこに案件を持って来ていただければ、日本で考えられる最高の治療を受けられる状況を作り上げたい」と抱負を語った。
東京 伊藤 辰雄 Tatsuo Ito
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