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[WSJ]- 戦争はハイテク銘柄にとって「フリーパス」か
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)低迷の続くハイテク業界だが、1−3月の業績が悪化した場合、イラク戦争による顧客の買い控えを要因にあげる企業が増える様相を呈してきた。悪材料が出た場合、投資家はどのように反応するだろうか。
業績悪化を発表したハイテク株は、下落するのが常だ。しかし、株価の不振が続く銘柄が多いため、戦争が「フリーパス」をもたらす可能性もある。また、目先は、イラク情勢に左右される局面が続く見込みだが、一方で、戦争を業績不振の言い訳に利用する企業が出てこないとも限らない。
担当する17社の業績見通しを、過去2週間で2度下方修正した、ゴールドマン・サックスのソフトウエア・アナリスト、リック・シャーランド氏は「イラク戦争において目覚しい進展があれば、投資家が寛大な反応を示す可能性もある」と述べた。
シャー ランド氏は、戦争に注目する余り、世界的な景気減速による売り上げの「停滞基調」というリスクを見逃さないよう警告した。「業績不振の原因が、戦争による一時的なものか、需要低迷によるなのかを見極めるのは難しいだろう」。
ハイテク業界の回復を見込む証券会社SGカウエンのアナリスト、ドリュー・ブロッソ―氏は、イラク戦争による影響が一時的な「問題」の範囲にとどまるとみている。SGカウエンは先週、法人IT(情報技術)購買担当を対象とした調査結果を発表し、2003年の法人IT支出額が前年比5.6%増となる見込みを明らかにした。この調査は、武力行使は行われていないが、戦争は回避できないとの見方が主流だった2月中旬に実施された。ブロッソー氏は「楽観的な見方が多かったのは意外だった」と語った。
3年間におよぶ停滞期を経たハイテク株だが、メリルリンチのストラテジスト、スティーブ・ミルノビッチ氏によると、同業界の株価収益率(PER)は市場全体の2倍ほどのレベルにあり、割高感は払しょくされていない。また年初からの株価指数の推移をみると、ナスダックが2.6%高なのに対し、ダウ平均は2.3%安となった。
戦争による影響を最も受けるとみられるのは、期末にかけてセールス部門が追い込み販売をい行う慣習がある業務用ソフト会社。このため、今週から業績見通しの下方修正に関する発表が相次ぐ可能性がある。
影響はハードメーカーにも出ている。特殊半導体メーカー、米マイクロチップ・テクノロジー(Nasdaq:MCHP)は3月18日に、イラク戦争による影響を理由に1−3月期(2003年3月期の第4四半期)の業績見通しを下方修正した。また、3月に期末を迎えない企業も影響を受けた。米ネットワーク機器最大手シスコシステムズ(Nasdaq:CSCO)の2−4月期(2003年7月期の第3四半期)について、クレディ・スイス・ファースト・ボストン(CSFB)とUBSウォーバーグは先週、売り上げ見通しを下方修正した。S&P500種指数を構成するハイテク株79銘柄の1−3月期の利益伸び率に関するアナリスト平均予想も、3月17日の開戦時の15%増から、28日には11%増まで低下した。売り上げ急減の兆候は、実際には武力衝突前からはじまっていた。ソフトウエ
ア大手オラクル(Nasdaq:ORCL)は3月18日、2月の売り上げが激減したことを明らかにしたが、この発表翌日のオラクルの株価は8%安となった。この下落幅は他社が業績の下方修正を発表する際のリトマス紙の役割を担うものとみられる。
メリルのミルノビッチ氏など悲観派は、オラクル株の下落について、「業績不振が明らかになれば、株価は下がる」というハイテク株がもつ性質が不変なことを示すと述 べた。同氏は21日に2003年(2003年7月期)通期見通しを下方修正し、株価が24%安となったインテュイット(Nasdaq:INTU)の例をあげた。
逆に、ハイテク業界の回復を見込むブロッソー氏は、3−5月期(2003年5月期の第4四半期)の業績に対する不透明感が高まる中で、オラクル株の反応は「比較的良かった」と述べた。「3月の業績が不振だった場合、一時的な現象なのか、またはさらに悪化する前兆なのかを見極める必要がある」。(3月31日付のHeard On The Streetより)