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[QUICK] 株、構造問題に縮む投資家 事業法人の株資産4兆円目減り
業績や事業戦略に対する経営者の見通しの甘さにも、投資家の目は一段と厳しくなっている。その一例が、NEC。先週末28日、金杉明信社長は2004年3月期の営業利益で、今期見通しの2倍となる目標を打ち出したが、市場では「いくら高い数字を掲げたところで、いままで下方修正という形で裏切られ続けてきただけに、実績を見なければ信用できない」と好材料視されなかった。半導体、パソコン、携帯電話、通信機器といった分野の成長が世界的にも期待しずらい環境にあって、いまだに収益をけん引する製品を具体的に提示できないでいるためだ。それを映してかこの日の株価は7%近く下落、1980年以来の安値更新まであとわずかの水準に落ち込んだ。
本業での先行き懸念に加え、下方修正リスクや財務面への悪影響への元凶となっているのが銀行株を中心とした株安だ。三菱証券エクイティ企画部の堀井邦彦シニアアナリストによれば、2003年3月期末での金融を除く上場企業の保有株の時価評価は、各社が有価証券報告書で開示している分だけで10兆3371億円になった(子会社・関連会社に該当する分は原則として時価評価対象外だが、ここでは通常の持ち合い株同様に算出)。2002年3月末時点では、14兆3198億円だったため、4兆円の資産が目減りしたことになる。個別企業では、富士通株下落のあおりを受けた富士電(1411億円)や松下(1040億円)、トヨタ(879億円)などの大きさが目立つ。
「大手電機は構造問題に苦しむ日本企業全体の縮図」と語るドイツ証券の佐藤文昭株式調査部長は「来年度も大手電機各社にとっては、正念場が続く」と話す。ゼロ成長時代にあっては、業界全体の「解体・再編」こそが再生の秘けつと見る。大手電機に限らず、「業績悪化→株安→財務基盤の悪化」といった負の連鎖が支配する日本株の低迷。それを断ち切るのは、来期も容易では無い。(永井洋一)