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生命保険会社が破たん前に契約者に約束した運用利回り(予定利率)の引き下げを可能にする保険業法改正案の要綱を金融庁が13日、自民党に対して提示することで、予定利率の引き下げ問題は今週末から来週にかけてヤマ場を迎える。要綱では、自民党が求めていた経営責任明確化や生保に出資している銀行の責任も問う仕組みを整えているが、予定利率引き下げで保険料負担などの痛みが増す契約者の理解が得られるかは不透明で、なお曲折も予想される。
金融庁は当初、予定利率を引き下げる生保の経営責任問題について「保険会社と契約者の自治的手続きで解決する問題」(幹部)と位置づけ、保険業法の改正案には明記しない考えだった。ただでさえ、生保業界は、予定利率の引き下げについて「生保に対する経営不信を増大させ、解約が増えるだけ」と消極的だっただけに、「経営責任を問われるなら、あえて予定利率は申請しない」と姿勢を硬化させ、新制度が形骸化する恐れがあったためだ。
しかし、自民党などは「経営の責任をはっきりさせなければ、負担を押し付けられる契約者の理解は到底得られない」と、経営責任の明確化を強く要求。株価下落などで生保経営が一段と圧迫される中、金融庁は予定利率引き下げを可能にする制度導入を最優先し、法律の運用で経営責任追及を可能にする方向に軌道修正した。
生保に出資している銀行が、債権放棄をしやすい仕組みを盛り込んだのも、「予定利率で不利益を被るのは契約者だけではなく、銀行にも一定の負担を求める」という姿勢を明確化する狙いといえる。
金融庁は「株安に歯止めがかからない状況下、生保破たん→金融システム不安という負の連鎖を避けるためにも、今国会中の保険業法改正は至上命題」(幹部)と主張する。だが、12日の金融審議会第2部会で反対意見が相次いだように、予定利率引き下げの議論が十分に尽くされたとは言いがたいのが実態だ。【小林理、吉原宏樹】
[毎日新聞5月13日] ( 2003-05-13-03:11 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20030513k0000m020160000c.html