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<TWPスペシャルキャンペーン「官僚国家ニッポン」を撃つ! 第1弾>
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投稿者 転載 日時 2003 年 5 月 10 日 17:46:09:

 年金、保険、税金――国民がそれらの負担増にあえぐ一方で、“彼ら”の高笑いが聞こえてくる。“彼ら”とは誰だ。この国には国家公務員が111万人、地方公務員がその3倍の325万人、合わせて436万人がいる。宮崎駿監督の米アカデミー賞受賞作品『千と千尋の神隠し』は、人の欲望を食う『カオナシ』が登場するが、日本には『カオナシ』よりはるかに巨大で、自己増殖のエネルギーはとどまるところを知らず、その貪欲な生命力を支えるために、“利権”を餌とし、国そのものまで丸ごと食い尽くそうとする“果てしなく暗色の衣に覆われた存在”がある。436万人もの“カオナシ”がいるといっても、公平・不公平の観点から見ると決して言い過ぎとはいえない。バブル崩壊後、民間のサラリーマンは毎年賃下げとリストラ、倒産と失業に苦しんできた。公務員には、昨年史上初めて賃金カットが実施された。国家公務員の賃下げの幅は2.03%、平均で年間約15万円のダウンとなった。が、よくよく見ると、彼らの給与明細には賃金カットどころか隠れた役得がいっぱい詰め込まれていた。官僚支配を軸に、不公平と不公正が拡大再生産されている現実を検証する。

1.公務員だけが特典満載の年金制度

(1) サラリーマンは“2階建て”なのに役人は“3階建て”

 この4月からサラリーマンの厚生年金と健康保険の保険料に『総報酬制』が導入され、従来は主に月給から差し引かれていた保険料がボーナスからもたっぷり取られることになった。
 その金額は小さくない。たとえば、
<月給30万円、ボーナス総額180万円>――という年収540万円のサラリーマンの場合、年金と健康保険を合わせて年間10万8000円も負担が増える。
 さて、民間のサラリーマンが将来の生活の不安を募らせる中で、公務員はどうか。
 国家公務員や地方公務員は厚生年金ではなく、『退職共済年金』という別の制度がある。保険料率は民間サラリーマンよりわずかに0・8%高い。月給35万円の会社員と公務員を比べると、公務員の方が1400円ほど保険料を余分に取られる。
 一見すると不利のようだが、そこにカラクリがあった。現役時代の月々1400円の差が、将来、15倍になってハネ返る仕組みなのだ。
 サラリーマンの年金は国民年金と厚生年金の2階建てになっており、現役時代の平均月給35万円(38年勤続)の標準モデルで計算すると、受給額は月額約18万円となる。
 ところが、公務員の共済には国民年金、共済年金(厚生年金に相当)に加えて、『職域年金』という3階部分が自動的に組み込まれており、共済年金の2割が加算される。平均月給35万円の標準モデルなら、受給額は月額20万円を超える。サラリーマンより2万円多いのである。
 1か月の保険料をわずか1400円多く払うだけで、年金は毎月2万円も余分にもらえる。これを≪公務員15倍増の役得≫と呼ぼう。しかも公務員の場合、ナント保険料の半分は税金から出されている。

(2) 赤字の年金だけサラリーマンに押しつけ

 それほどおいしい役得を役人が手離すはずがない。政府は20年以上、厚生年金と共済制度の一元化を検討しているものの、現在も全く見通しが立っていない。
 それどころか、かつて三公社五現業と呼ばれた国鉄(JR)、専売公社(日本たばこ産業=JT)、電電公社(NTT)の民営化に伴って、3社の共済組合を公務員の共済ではなく、サラリーマンの厚生年金と合併した。理由はJR共済が巨額の赤字を抱えていたからだ。
 JR共済の赤字は厚生年金をはじめ、国家公務員共済、地方公務員共済などで分担することになったが、支援の総額は4兆円を超える。旧国鉄の清算には国民の税金14兆円が投入されたが、その他に、民間サラリーマンが自分たちの年金を削られて国鉄共済の放漫経営の尻拭いまでさせられている。まさに、≪赤字は民間に押しつけろ≫――というのが役得の行動原理なのである。

(3) 自動的に送られる「もらい忘れ防止はがき」

 役人には年金のもらい損ねもあり得ない。
 本誌は一連の年金特集で、年金制度の改革の中でいくつかの知っておけば得する制度があることを報じた。その典型が『特別支給』と『部分年金』だろう。いずれも本人が社会保険事務所に出向いて申請の手続きをする必要があり、うっかりしてもらい損なっている人が少なくない。手続きを忘れると、1000万円もの“もらえるはずの年金”を失ってしまう。
 厚生労働省の出先機関である社会保険事務所も、サラリーマンが長年にわたって支払った保険料を無にしないように対象者にキチンと通知書を送るのが当然なのに、そうした行政サービスは全くない。
 だが、公務員は定年間際になると職場ごとに説明会が開かれ、退職金や年金の手続きや、いくら受け取ることができるかについて手取り足取り教えてくれる。仮に早期退職していても、共済年金の受給年齢になると共済組合から通知書(退職共済年金請求書)が自宅に届き、記入して送り返せば手続きができる。役人はそうした自分たちが受けているサービスを、サラリーマンにはやらない。

2.役人は受け取るだけの失業保険

(1) 公務員は雇用保険の負担ゼロ

 5月1日から改正雇用保険法が施行され、失業給付が大幅にカットされた。
 これまで失業保険(正式には雇用保険の失業給付)は失業前の賃金の6〜8割が支給されたが、上限は5割まで引き下げられた。さらに失業基本手当ても2000円以上カットされた。
 雇用保険財政の悪化を理由に厚生労働省は容赦なく失業者切り捨てに動いた。≪終身雇用≫が保障されている公務員には失業という言葉さえなく、リストラされたサラリーマンの痛みなどわからないのだ。失業しない公務員にはそもそも失業給付の制度がいらない。
 従って、公務員の給与明細には、『雇用保険料』が天引きされていないのである。そのメリットがどのくらいになるかを概算してみよう。
 大学を卒業して入社し、定年(60歳)まで38年間勤務したサラリーマンの生涯の平均年収が600万円だったとすると、現在の雇用保険制度では合計160万円の雇用保険料を払い込むことになる。
 同じ給与水準の公務員は終身雇用制度のおかげで、その分の負担がゼロですむ。目に見えない役得の典型だろう。

(2) 失業給付を退職金に上乗せしている

 昨年9月に公表された総務省の調査によると、国家公務員の退職金の平均は2948万円、それに対して民間企業は2790万円となっている。民間企業の調査は従業員100人以上の企業を対象にしているため、中小・零細企業を含めると民間の退職金の本当の平均額はもっと低い。
 国家公務員の退職金は全額国費=税金から出されるため、民間と同水準にするルールがある。調査は退職金の官民格差を比較するために行なわれたものだが、大企業と比べて平均で160万円も高いだけでも許し難い。しかも、どうやらその分は、失業給付をちゃっかりもぐり込ませている。
 サラリーマンは給料から雇用保険料を払い、その当然の権利として失業給付を得ている。それなのに保険料を払っていない公務員が失業給付だけは退職金名目で税金から取っているとは、やらずぶったくりそのものではないか。

(3) 雇用保険施設が官僚の天下りの温床

 そもそも雇用保険の財政悪化を招いたのは他でもなく、厚生労働官僚たちである。高度成長期からバブル期にかけてサラリーマンが支払う雇用保険や労災保険の資金を原資とする『労働保険特別会計』の金はだぶつき、旧労働省はその金で全国に道路をつくったり、『中野サンプラザ』に代表される多目的ホールや保養施設『いこいの家』など独自の公共事業に注ぎ込んだ。
 目的は天下り先の確保だった。施設を建てるごとに、運営するための財団法人を設立し、その役員や職員にOBを送り込んだのである。赤字も雇用保険の金で補填してきた。そうした事業を行なってきたのが厚労省傘下の特殊法人『雇用・能力開発機構』(旧・雇用促進事業団)である。
 それが小泉行革によって独立採算性の『独立行政法人』に組織変えすることが決まると、同機構は各地の赤字施設を投げ売りし始めた。
 なぜ格安で売ろうとしているかの理由を知れば怒髪天を衝く。同機構は中野区役所に対して、中野サンプラザの中村正理事長(元労働省総務審議官)をはじめ、職員172人の再雇用を条件に、時価240億円とされる同施設を、わずか50億円で売却しようとしている。ちなみに、職員の平均年収は800万円である。
 労働官僚たちは、雇用保険料で建てた施設をまるで自分たちの資産であるかのように売り払い、役人の雇用と天下り権益を守る財源にあてようとしている。
 もちろん、その役人たちは雇用保険料を1円も払っていない。

3.不公平税制こそ財務省支配の根源

(1) 官僚の胸三寸で特別優遇税制を乱発

 日本の税制は世界一複雑、かつ不公平な仕組みになっている。毎年改正される『租税特別措置法』によって、各業界、業種ごとに細かく優遇措置が決められ、恩恵を受ける者とそうでない者に歴然と差がある。
 その典型を紹介しよう。
 どれだけの売り上げをあげても、いくらの利益を稼いでも一切税金がかからない商品があることはほとんど知られていない。肉用牛である。
 畜産農家が1頭100万円未満の肉用牛を出荷して得た収入は、何頭売っても所得税や住民税を免除される。『BSE(狂牛病)』の騒ぎで牛肉消費が落ち込み、経営難に直面している農家を救済するための特別措置というわけではない。この免税制度は67年に5年間の時限措置として制定され、その後、35年以上にわたって延長されてきた。
 農家の優遇制度はそれだけではない。いずれも自民党農水族と農水省、農協などが一体となって守ってきた既得権だ。
 医師、歯科医の税制優遇も過大だ。事業税の税率は業種によって段階がある。一般の法人は収入によって5〜9・6%課税されるが、水産業・畜産業は4%、助産婦・鍼灸院は3%となっている。それなのに医師と歯科医は保険診療で得た収入に対する事業税はゼロ、所得税も診療報酬2500万円までは72%、5000万円なら57%を経費として控除できる特権がある。
 他にも、租税特別措置法には、50年以上続いている海運会社が船舶をスクラップする際の特別償却や40年以上前にできた植林費の損金算入など、現在、業種別に75もの措置が定められている。

(2) 同じ年収なのに所得税が違うのはなぜか

 サラリーマンの間にも税金の著しい不公平がある。“低所得者保護”を金科玉条に課税最低限が際限なく引き上げられてきた結果、サラリーマン世帯の実に4分の1が税金を支払っていない問題だ。
 現在、サラリーマンの課税最低限は夫婦、子供2人の標準世帯で年収384万円。それ以下の収入であれば税金は取られない。それに主婦のパート収入の非課税枠(103万円)を組み合わせると、年収500万円近い家庭でも税金を払わなくてもすむという世界に例を見ない仕組みになっており、それが新たな不公平を生んでいる。
 例えば、家族4人の標準世帯で夫の年収が500万円、妻が専業主婦であれば、所得税はおよそ6万4000円取られる。しかし、夫の年収・400万円、妻のパート収入100万円の世帯の場合、所得税は夫の収入にしか課せられず、税額も8800円だ。世帯の合計収入は同じ500万円でも、所得税は約7倍の差がつく。
 逆に、もし2人の子供が中学を出て働き、かつ妻の収入105万円、夫の収入395万円の世帯だとすれば、所得税は約12万円にハネ上がる。

(3) 国税庁OBは天下りで顧問料をむさぼる

 迷路のような税制から直接のメリットを得ているのが国税庁である。
 税務署の職員は公務員定年より1年早く、59歳で退職する慣例がある。当然、十分な退職金は出るものの、国税庁では本来の定年までの1年間の所得を保証するために、OBに税理士資格(勤続23年以上)を与えて開業させたうえ、OB税理士に企業を斡旋して1人1000万円以上の顧問料収入を得られる仕組みをつくりあげていた。
 財務省主税局がことさらに税制を複雑にして、しかも毎年、制度を変えるのは、OB税理士を食わせるためには欠かせない手続きでもある。
「日本の官僚制度は文武天皇が定めた大宝律令(701年)以来、1300年もの歴史を持つ。古くは貴族、明治以降は公務員たちが自らつくり出した特権を守るために複雑で巧妙な数々の制度を編み出し、国民と役人、あるいは国民の間に大きな不公平が生まれた。そこでかつての大平内閣以後の歴代内閣は行革を掲げてきたが、実際には制度を改革するたびに役人の権益を肥大化させる逆の結果を招いている」
 大平行革から多くの政府の審議会委員を務め、官僚と激しくやり合ってきた政治評論家・屋山太郎氏が指摘する。
 暴かなければならない役人の特権はまだまだある。

(週刊ポスト)

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