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★日本の短期市場機能低下に言及したFRB金融政策局長 [Quick]
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投稿者 Ddog 日時 2003 年 3 月 29 日 10:53:12:ZR5JcjFY1l.PQ

(回答先: ★リスク資産購入に対する福井総裁の尺度 [Quick] 投稿者 Ddod 日時 2003 年 3 月 29 日 10:50:50)


★日本の短期市場機能低下に言及したFRB金融政策局長 [Quick]

FRBのV.ラインハート金融政策局長は3月25日にゼロ金利下の日本の短期市場について興味深い言及をした(同局長はFRBにおける政策立案の事務方のトップ)。
「日本の経験によれば、短期金利がゼロ%の状態ではマネーマーケットの機能は悪化する。中央銀行がゼロ%で自由に資金を貸し出すようになると、マネーマーケットの資金仲介メカニズムはおかしくなる。また、名目金利がゼロの状態でインフレ予想が下落すると、金融政策の刺激効果は浸食されていく」。これは、「デフレと闘う手段」と題するNABEでの講演の中で述べたものだが、同氏はゼロ金利政策の困難さを認識した上で、デフレ対策としての金融政策について説
明を行っている。当日会場で聞いていた関係者によると、ラインハート局長は政策の効果に関
して弱気なそぶりを見せなかったそうだが、プレス向けの講演資料を見ると慎重な言い回しがいくつも見受けられる。主なポイントは、
@フェデラルファンド・レートがゼロ%になれば、FRBは資金供給を拡大して準備預金量を増加させることができる。その場合のマネタリーなトランスミッション・メカニズムは不確かだが、量のチャネルは銀行のバランスシートを拡大させ、貸出を増加させるだろう。
A準備預金を過剰に供給しても効果が現れない場合は、中長期金利の押し下げを狙う。
具体的には、低水準のオーバーナイト金利が今後も継続することを宣言する(日銀の「時間軸」と同様)。或いは、フォワード・レートを操作したり、オプションを使ったオペで先行きの金利に働きかける(これは1999年や2000年に発表されたFRBスタッフによる個人論文の中で提案されている)。
B或いは、大規模に中長期国債を購入して中長期金利にシーリングをつくる。
C私が述べたそれらの政策は既に日本銀行が法律の範囲内で実施している。ただし、日銀の場合は迫力や素早さに欠けることがある。流動性を増加させる政策は、(不良債権で)金融仲介機能に障害が生じると効かなくなるが、障害が発生する前であれば効果は異なるだろう(つまり、アメリカでは量的緩和策は効く可能性があると見ている)。
C ただし、それらの政策の効果が不確実であることに疑う余地はない。よって、予防的に回避することがデフレに対する最良の政策となる。
ラインハート局長は、講演後の質疑応答で、オーバーナイト金利をゼロ%にする前に"アンコンベンショナル"或いは"アンオーソドックス"な政策を採る可能性があることを示唆した。講演の中で同氏は、@〜Bの政策は過去に何らかの形でFRBは実施したことがあるので"アンコンベンショナル"とは呼ばないと言っている。このため発言の真意は量りにくいが、講演の文脈から考えて、おそらくゼロ金利導入以前に中長期金利の押し下げを開始するという趣旨と推測される。
なお、前述の1999年、2000年に発表された個人論文の中では、非伝統的な手法として、株式や土地などのリスク資産の購入、FRBから企業や個人への大規模な直接貸出などについても思考実験が為されていた。しかし、それらに関しては今回は全く言及がない。これは、@論文の中でも述べられているが、FRBを規定する連邦準備法に抵触するため法改正が必要となる、A現時点でそこまで非伝統的な政策に言及すると市場は安心するどころか、かえって危機感を抱いてしまうリスクがある、といった点が考えられる。

★ FRB内で激しい対立を見せるインフレターゲット論 [Quick]

インフレターゲットの是非に関する議論がFRB内で激しい対立を見せている。リッチモンド連銀のM.グッドフレンド氏は1月23日にNBERの会議で、持論であるインフレターゲットの重要性を主張した(ブローダス同連銀総裁もグッドフレンドを支持している)。この講演に対するコメントとして、グリーンスパン議長の右腕と言われる
D.コーン理事がかなり激しい口調で反論をぶつけている(3月25日に公表)。
l 1970年代からインフレやインフレ予想は低下しているが、これはインフレターゲット採用国と非採用国の両者で同様に発生している。インフレターゲット採用国が非採用国よりもアドバンテージを持っていることを示す研究は存在しない。
l アメリカの金融政策の成功の大部分は、状況の変化に柔軟に対応できた点にある。これは、インフレターゲットを採用していなかったからこその利点である。最近では1998年のロシア危機や2001年に、テイラールールよりも素早くかつ大きく利下げを行った。また、従来、導入積極派であったバーナンキ理事もこのところ明らかに主張のトーンを落として来ている。3月25日のNABEのコンファレンスでは、インフレターゲットの利点を述べながらも「FRBのように信認が高く成功している中央銀行にとっては、導入の利益はあまり大きくないかも知れない」といったニュアンスを付け加えている。また、ファーガソンFRB副議長も2月12日にインフレターゲットに反対する講演を行っている。このためグリーンスパンが議長の座にいる間は、FRBがインフレターゲットを採用する可能性は低いと思われる。

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