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★外為、ウォール街にロシアの風? 「ドル回復」シナリオに暗雲 [Quick]
【NQN】27日の東京外国為替市場で、円の対ドル相場は1ドル=119円台後半に反発している。イラク戦争で米英軍が有利な状況に変化はないが、26日にブッシュ米大統領までが長期戦を覚悟したことで、前週末に強まった「楽勝」気分はすっかり吹き飛んだ。最近の景気低迷もあり、市場では「1991年の湾岸戦争時に比べ、経済や軍事面の力強さはない」との見方もささやかれる。こうした中、米金融市場の中枢に位置するウォール街にある変化が起こり始めた。
「デリバティブのディーリングルームでロシア語が『公用語』になりつつある」。ある米国系銀行から聞いた話として、東短リサーチの加藤出・チーフエコノミストはこんなエピソードを披露した。高度な数学を駆使するデリバティブの世界では、宇宙科学の専門家が活躍する場面が少なくない。かつては冷戦構造崩壊で職を失ったNASA(アメリカ航空宇宙局)出身の科学者がウォール街に集まり、「ロケット・サイエンティスト集団」と呼ばれた。しかし優秀なロケット科学者は冷戦の相手方だったモスクワなどにもあふれており、人件費は米国人に比べ圧倒的に安い。これに着目した米系金融機関がロシアからの採用を積極的に進めたのだという。
ロシア人トレーダーの増加で浮き彫りになるのは、諸外国が米国に対抗できる技術力を持つ一方、米国では高度な専門職種でさえ高コストを受け入れる体力がなくなっていることだ。このまま新興諸国との競争にさらされる状況が続けば、米国人の雇用不安や賃金低下、ひいてはこれ
まで景気を支えてきた個人消費落ち込みが起きかねない。外為市場ではドル強気派が「戦後は米景気やドル相場が急回復する」とのシナリオを描くが、その行く手には多くの難関が立ちはだかる。デフレ傾向が強まり、産業界などからドル安を望む機運が再び高まるかもしれない。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)理事は25日、インフレ目標策などに柔軟な考えを改めて示した。結果的に進行するドル安も念頭に置いた発言とみられている。かたや、デフレに苦しむ日本は「円高阻止」に躍起。だが、その思いとは裏腹に、米国との通貨切り下げ競争が起き
る可能性がじわり高まっている。(今 晶)