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(回答先: ★イラク開戦：異例の時間帯の資金供給★ 投稿者 Ｄｄｏｇ 日時 2003 年 3 月 24 日 22:55:10)
★ニューヨークの不動産市況：下落が続くアパート、オフィスの賃貸料★
イラク戦争後の米国経済を見極める上でも、米国の住宅市場の動向は重要な判断材料となる。18日発表の2月の住宅着工件数は大雪の影響で年率162.2万戸、前月比11.0％の大幅減少だった。
しかし、先行指標である許可件数は前月比0.4％増（年率178.6万戸）と高水準であったため、今回の統計から住宅投資の腰折れを判断することはできない。そこで最近の変化をつかむためにニューヨークの不動産関係者から情報を集めてみた。
昨年第4四半期のマンハッタンのアパート（コンドミニアムとコーポ）の販売価格指数は強弱入り混じっており（前期比で平均販売価格は−4.8％だが平均フィート平方価格は+3.8％）、全体としては横ばいのイメージ。
しかし、最近の動きを聞いてみると住宅需要は２極分化が進んでいるようだ。人気物件には依然として買い希望が集中し、高値が維持されている。低金利のモーゲージが需要を支えている面もあり、一部では希望売却価格を上回って成約するケースがまだ見られる。しかし、それ以外の物件に関しては、買い希望を上回るペースで売り物が増加しており、値引き合戦が始まっている。2002年第4四半期の販売戸数は前期比−9.5％（前年比−2.8％）と減少しており、また売却希望物件が成約に至るまでの平均日数は2002年第4四半期は151日間（前期比で＋32日）と伸びつつある。
一方で、賃貸は下落傾向が鮮明化している。雇用環境の悪化などを受けて2002年のアパートの賃貸料は、2001年に比較して11〜13％程度の低下を見せた。よく聞かれる話だが、表面上の値下げを回避するために、入居後1〜2ヶ月間を無料にする動きが広範囲に行われているため、実際の賃料の下落はより激しいものと思われる。今後は賃貸料の下落に引っ張られる形で、販売価格も低下を見せる可能性が考えられる。なお、同様にオフィスの賃貸料（通常はマンハッタンの雇用者総数と密接な関係がある）も下落しており、特にミッドタウン・サウス地区は2002年に前年比で16％低下、ピークだった2000年に比較すると27.7％も下落している（以上、数値はMiller Samuel Inc.、Feathered Nes t、Insignia/ESG,Inc.などの資料を参考）。
このようにニューヨークの不動産市況は調整局面に入りつつある。先週号で、Fedが今後、中長期金利の低下を目的とする「イールドカーブ戦略」を採用する可能性を整理したが、仮に中長期金利の低下を実現してモーゲージ金利が低下したとしても、現地の関係者の感覚としては、景気回復期待が強まらない限り住宅販売が急反発する可能性は低いようだ。
クイックより
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。