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米国市場・戦勝ムード(1)リアルな戦況映像、市場心理を楽観に
【NQNニューヨーク=渋谷淳】21日の米国市場は戦勝ムードに包まれた。
対イラク開戦直後の19日夜にブッシュ大統領が戦争の長期化を示唆。翌日
の20日は戦況に慎重な声も目立ったが、時間の経過につれて楽観的な見
方が増した。市場心理に影響を及ぼしたのが、取引時間中に刻々と伝わ
る戦況の映像だった。
イラク空爆の様子を映し出すテレビ各局の映像が市場参加者の目を奪
った。まるで映画の1シーンのように、着弾し燃え上がる建物の様子を
確認できたからだ。20日は戦況映像が流れ出した午後になると株価が上
昇し、ドルが下げ渋った。「圧倒的な戦力差を改めて見せつけ、短期終
結への連想を誘った」という。
最大規模の空爆となった「ショックと恐怖」作戦が始まったのは21日
昼過ぎ。ある欧州系証券のトレーディング・ルームでは一部のディーラ
―がテレビの音量を最大にし、拍手まで沸き上がったという。状況を傍
観していた営業担当者の1人は「炎上する建物を見ていて気分が悪くな
った」と話すが、米英軍の圧倒的な攻撃力を歓迎する市場参加者も少な
くないようだ。
「湾岸戦争の時は火花が飛び散るような不鮮明な映像で、何が起こっ
ているか素人目には確認できなかった。これだけ鮮明だと関心が向かう
のは当然だ」。戦況映像を見たベテラン外為ディーラーが言う。20、21
両日の売買は各市場とも相場変動が大きかった割に低調。21日に売買高
が膨らんだ株式市場も、多くは株価指数先物やオプションの売買最終日
に伴うものだった。とりわけ午後はテレビ画面に関心が向かい、商いが
細る場面もあった。
戦況映像が市場心理を左右し、楽観的なムードを醸成する展開が続き
そうだ。イラクのフセイン大統領死亡や早期降伏のうわさが流れること
も多く、株売りや債券買いの持ち高は維持しにくい。ただ楽観ムードか
ら市場は早々と湾岸戦争当時を上回る短期終結を織り込み始めた感もあ
る。停戦後の米景気や企業収益などファンダメンタルズ(経済の基礎的
条件)に視線が移るのも早まりそうだ。停戦の遅れはリスク要因となる
米国市場・戦勝ムード(2)株、短期決着なら決算に関心・ヒル氏
【NQNニューヨーク】米調査会社ファースト・コールの調査部長、チャック
ヒル氏 21日の米国株式相場でダウ工業株30種平均が8日続伸した。
短期決戦への期待から、上値を追う動きになったようだ。ただ仮に2週
間程度でイラク戦争に決着がついたとしても、その後は再び景気動向や
株価の適正水準(バリュエーション)に注目がされるようになる。高値
警戒感も出てくるだろう。
景気動向に関しては、消費者心理の回復が鍵を握っている。一方、企
業収益を巡っては1―3月期の収益予想を引き下げる企業が相次いでい
ることが気掛かりだ。現時点で予想を引き下げた会社を引き上げた会社
で割った比率は2.8と前年同期の1.6と比べ増加している。ハイテク関連
企業で引き下げ予想が少ないことは注目に値するが、小売りや製造業に
は下方修正が多い。企業収益は1―3月期決算の本格化する4月まで断
定的なことは言えない。ただ消費者心理が回復するのは早くて2003年後
半になるのではないか。
米国市場・戦勝ムード(3)株、下方かい離分を戻す・鈴木氏
【NQNニューヨーク=渋谷淳】鈴木誠・大和総研アメリカのシニア・
インベストメント・アナリスト イラク戦争の開戦を挟んだ株式相場の上昇に
は驚かされた。個人的には開戦で不透明感が広がって株価が下落。市場
の動揺を抑えるために米連邦準備理事会(FRB)が緊急利下げに踏み
切るといったシナリオを心配していた。開戦を挟んだ8日間でダウ工業
株30種平均は1000ドル近く上昇した。予想外の戦況の順調さから短期終
結への期待感が広がったのが理由だろう。自分を含めて慎重な見通しが
多かっただけに、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から下方に
かい離していた部分を一気に戻したのではないか。
株式相場の上昇が株式への資金流入を促し、今後も相場を下支えする
可能性は高い。調査会社のAMGデータ・サービスによると先週、米国
株式投信への資金が流入超に転じた。その前の3週間は毎週30億ドル単
位で流出していたが、13日に株式相場が急伸し、個人投資家が株式投信
に資金を向け始めたのだろう。原油先物価格が下落基調に転じたことも
、景気の先行きを見るうえで好材料だ。
ただ4月になれば1―3月期の四半期決算の発表が本格化する。住宅
着工の鈍化や消費者心理の悪化などから収益の悪化もある程度は想定し
ているとは思うが、ファンダメンタルズの悪化が株価の上値を抑えるの
ではないか。少し前に0.25%の追加利下げを想定して株価の適正水準を
計算するとダウ平均で8700―8900ドルとなった。現在の水準はほぼ妥当
な水準と言ってもいい。
米国市場・戦勝ムード(4)投資家のリスク回避緩む・ライアン氏
【NQNニューヨーク=渋谷淳】UBSウォーバーグのシニア債券スト
ラテジスト、マイケル・ライアン氏 イラク戦争が順調に進展し、米国債はイ
ラク戦争への不安から積み上がってきた「質への逃避」というプレミア
ムを失っている。市場はテレビの戦況映像で米英軍の順調な進軍を確認
し、イラクから猛烈な反撃が無いと受け止めるにつれ、短期終結への確
信を深めた。
米国の戦争の進め方は湾岸戦争当時と大きく異なる。フセイン大統領
から迅速に権力を奪うことが主目的となるため、イラクに生物・化学兵
器を使わせず、かつ被害を最小限に抑えようとしている。テレビ映像な
どを見る限り、今のところ非常に順調に進んでいると市場は受け止めた
。米国債はこれまで、戦時下でのリスクを極力避けようとする投資家の
資金を集めてきた。しかし、バグダッドへの空爆の様子などを見るうち
に短期終結の確信が一段と高まり、投資家はリスクをとろうとし始めて
いるのだろう。
戦況がこのまま有利に進み、イラクに大量破壊兵器を使わせないまま
短期終結へと向かえば、米国債の下落基調は続くだろう。今後の相場動
向は依然として戦況次第だ。利回り上昇のペースは確かに速いが、まだ
米国債が売られ過ぎとは判断できない。むしろ買われ過ぎた反動の側面
が大きい。極めて短期的には相場下落に行き過ぎ感が生じる場面もある
だろうが、中長期的に長期金利は上昇する可能性が高い。
イラク戦後の焦点は原油価格と消費者心理の動向だ。原油価格が順調
に下落すれば企業活動や消費を下支えする。急速に低下している消費者
心理や企業家心理が停戦に伴う不透明感の払しょくで改善すれば、投資
家は景気回復への確信を高めるだろう。
米国市場・戦勝ムード(5)ドル堅調数週間続く・マザネック氏
【NQNニューヨーク=千葉茂】インベスターズ・バンク・アンド・トラスト
のシニア通貨アナリスト、ティム・マザネック氏 イラク戦争が死傷者
も少なく短期で終結するとの見通しを背景に、ドルの買い戻しだけでな
く新規のドル買いも入っている。あと数週間はドルの堅調な地合いが続
き、ドルは対円で1ドル=122円60銭、対ユーロでは1ユーロ=1.0350
ドル近辺まで上昇する可能性がある。現在の外国為替市場は経済指標などには
目が向いておらず、イラク情勢が支配的な材料となっている。
しかし、米景気が2003年後半から2004年初めにかけて回復するとの見
方には懐疑的だ。景気回復の足取りの弱さに市場の目が向かいだすと、
ドルを買い持ちに傾けている参加者が逆をつかれる恐れがある。最近の
ドル上昇はドル高基調の始まりではなく、ドル安基調の持ち高調整の域
を出ない。もしドルが対ユーロで1ユーロ=1ドル、対円で1ドル=126円50
銭を上抜ければドル高に基調が変わるだろうが、その可能性は低い。
以上 すべて クイック
今晩はさすがに下落すると思うが。