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今回は論理的な記述は省略させていただく。
(なぜなのかについては「論議9」ボードに書き込みをしていただければ、それへのレスや参照書き込みの紹介というかたちで応えさせていただくつもりです)
9・11以降の世界史は、戦後世界構造&秩序の意識的な再編過程にある。
二つの大戦を通じて世界の貨幣的富と産業生産力の70%から80%を手中にした米国(保有実体は人)が、覇権国家として世界経済システムと国際秩序を維持する時代は終わったのである。
より言えば、近代の象徴である機械制大工場を基礎とする「産業」の時代は終わった。
膨大な固定資本を基礎とする資本(企業)が揃って持続的に成長できる経済条件を失ったのである。
(持続的に成長する企業は他社を食える力を持っているところだけになる)
現在進行形の世界構造&秩序の意識的な再編は、このような世界認識を持っている人たちの手によって進められている。
かれらは、現在の世界経済システムを築きそのなかで膨大な貨幣的富を獲得している人たちの知的執事である。
彼らは、産業の成長時代が終焉したことを踏まえ、成長のない時代でも確実に膨大な貨幣的富を獲得できる世界システムを築こうとしている。
日本経済は既に陥っているが、米国経済も欧州経済も、日本と同じ経済状況に陥る。
陥るというよりも、陥らせると言ったほうがいいだろう。
ブッシュ政権にしろFRBにしろ、米国経済を立て直そうという意志は持っていない。
かと言って、一気に瓦解させわけではない。なぜなら、崩壊過程でも、膨大な貨幣的富を獲得しようと考えているからである。
9・11を理由に始まった「対テロ戦争」は、アフガニスタンからイラクへと進み、さらに中東産油諸国へと広がっていく。
先進国の“経済不調”は、この「対テロ戦争」の影響として説明され続けるだろう。
もちろん、「対テロ戦争」が“経済不調”を促進することは事実だが、そうなるように仕組んでいるのも彼らである。
(しかし、大災厄と愛国主義が渾然となる戦争のインパクトにより、彼らの意図は隠れたまま「戦争原因説」がはびこることになる)
先進国の国民生活を向上させてきた「近代的産業時代」は、200年ほどかけて進んだ財的経済取引のグローバル化によって幕が降りた。
個別の企業は成長を維持できるとしても、多くの企業は縮小や破綻を余儀なくされる。
それはすなわち、国民経済が低迷し、GDPが縮小することである。
「近代的産業時代」の終焉は、産業国家として世界最強の位置に到達した日本がもっとも大きな打撃を被ることを意味する。
株価がどうの財政赤字がどうのという議論が有効性を持つ世界ではなくなったのである。
個々の経済変動は偶発的なものもあるが、世界経済やそれに規定される個々の国民経済の変動は意図的に変化させられるものである。
世界経済の破壊を通じて富を吸い上げる者たちやその知的執事たち、そして、そのような意図を理解できないまま稚拙でデタラメな経済価値観や経済理論を信じ“したり顔”で自国経済を破壊する政策を振り回すエリートたちをその地位から放逐しない限り、「近代的産業時代」の終焉が、多くの人々に大きな経済的災厄として降りかかってくることになる。