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シリアが次の標的だというのは、一種の陽動作戦で実はイランだ、第一シリアには(石油に代表される)資源がないではないか、というのがあっしらさんの説だ。
しかし、どうも、やはりシリアが先にくる可能性が高いのだ。(むしろイランは、中近東で最強の軍事インフラを持っており、最終の敵という位置づけではないか。)
以下のインド有力紙の14日付記事にはひどく目が開かされた。
http://www.hindustantimes.com/news/181_233872,001300180033.htm
イスラエルの有力紙の報告を引用した解説だ。なんと実はイラクの北部都市モスルから、シリアを大横断して、現イスラエルの都市ハイファに、石油パイプラインが敷設されているという。イスラエルによって占領され建国される1948年まで、このパイプラインは生きて機能していたが、この年を境に機能を停止し、その後眠れるままになっていた、というのだ!で、イスラエルはもちろん、イラクからの石油供給は受けられず、ソ連ーロシアから今日まで石油調達を受けている、という。
で、48年から今日にいたるまで、なんども、イスラエル、米国側は、このパイプラインの復活プロジェクトを試みたが、パレスチナ問題の緊張から、すべて失敗に終わったという。で、ここがポイントだが、この復活のプロジェクトの主役の一人が80年代、レーガン政権の大統領補佐官(またはアドバイザー?)ラムズフェルド、つまり現在戦争を率いるペンタゴン長官だったというのだ!
イラク侵略戦争終了後、早速、イスラエルのインフラ担当大臣が、このハイファ側に伝わっている眠れるパイプラインのアセスメントの命令を出したという。すぐにでも使えるようにできるからだそうだ。これが復活すれば、今後ロシアから石油を買う巨額なカネを大節約でき、米国としても、石油供給元の多様化につなばるというのだ。
この新聞はいう。イラク侵略戦争は、シリアを取るための序章と位置づけられているのではないか、本命は、シリアを走るパイプラインの奪取ではないのか、つまり、イスラエルの石油確保がより高次の狙いではないか。そう示唆しているのだ。
これは非常に説得力がある。はっきりいえることは、ラムズフェルドは、このパイプラインの存在を誰よりよく知り尽くしているということだ。戦争遂行中もこのパイプラインのことをしっかり意識しながら、イラクの油田、特に北部モスル周辺の油田の確実安全な奪取を何より優先していたと思われる。
あっしらさんは、米英のイラク侵略戦争にはイスラエルは積極的ではない、と一貫して主張されてきている。石油を喉から手が出るほどほしいイスラエルが、この戦争に消極的だったということは、このような事実がある限り、考えにくい。また、シリアは石油輸出国でもある。つまり、米英はイランより、シリアを先に欲しいと考えても決して不自然ではない。イラク侵略戦争が始まった当初から米英はシリアがイラクへ武器を提供しているのではないか、などと言いがかりをすでにしきりにつけはじめていたことが思い出される。
ロシアがなぜ、執拗にイラク側に立っていたのか。各種の利権があるせいなのだろうが、このパイプラインの復活でイスラエルとの石油売買が一切なくなる、という利害関係にあることはこのようにして明らかになったといえるだろう。(イスラエルがなぜ米英石油メジャーから石油をしていないのか、理由が分からないが。ロシアのほうが単に値段が安かったという理由が最大だろうが)。
やはり、このイラク侵略戦争の動機の一つにイラクの石油があり、それがイスラエルの石油戦略にとっても決定的なものがある、ということで米英(石油メジャー)イスラエルは利益共同体として見ることができるだろう。死活性をかけたという点では、イスラエルがネオコンを誘導し、米英に戦争をけしかけさせたという側面があるのではないか。もちろん、イラク、そしてシリアを取るというのは石油確保を含めたイスラエルの総合的安全保障戦略として決定的に有用なのだ。
イスラエルは以前から、ヨルダンにパレスチナ人をすべて追放させ、現パレスチナをすべてユダヤ人だけの領土にするという意向を仄めかしてきた。シリアを取り、そしてヨルダンという順か。
イスラエルと米英の利益は完全に一致しており、米英の中近東制作をいわばイスラエルが乗っ取って誘導している面は否めないだろう。米議会は、イスラエルロビーの圧倒的な影響下にあることだけは、否定できない事実なのである。