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(回答先: あっしらさん,お答えします:中近東諸国で、宗教選択の自由は非常に限られています。 投稿者 文化的視点から 日時 2003 年 4 月 10 日 18:56:51)
「宗教選択の自由」という言葉で、世界の主要宗教のメニューが用意されていて、これを自由に選べるという状態をご想像なら、これは極めて日本的な幻想と考えるほかありません。(日本を含めて)世界のどの地域でも、ちょっとあり得ない現象です。
入信儀礼はあっても棄教儀礼や改宗儀礼、あるいは棄教の手続きを定める宗教はまれでしょう。各宗教は、他宗教に入信した者を排除するだけです。その意味で、どの宗教も教義上は、「信仰を棄てる自由はない」のではないですか?これを「宗教選択の自由は非常に厳しい」に帰結させる論は、暴論と考えます。(この点は、中中氏の指摘のとおり。なお、教義論は辞退します。仮に「仏教は謗法者の救済も考えている。それに対して何教は..」と言われても苦笑するだけです。)
問題にすべきとすれば、政教分離原則でしょう。「政教分離」の程度(と内実)ですね。そして、「世俗性」をタテマエとする「近代」西欧国家と、イスラム法を指導原理として宗教者の政治的権威を与えるアラブ社会(ただし国別に程度の差は大きい)の対比で、何か新しい問題が見つかる可能性はあります。