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占領下イラクに対する合理的政策と実際の政策との距離
世界中の関心は、イラク占領体制に向かっております。
そこで、今回は、米国の覇権維持に結果的に有効そうな、戦乱の扉を閉じるのに有効そうな「合理的政策」(私見)を勝手に検討してみました。
これと共に、実際に米国がとりそうな政策も合わせて検討しました(これは私の予測)。
なぜ「(戦乱の扉を閉じるのに有効な合理的政策」と「実際にとられそうな政策」とを並べて検討したのかと言うと、その距離を観察することで、寄生者が本当に世界大戦を実行するつもりかどうか推測できると考えたからです。
イラク占領政策については、以下の投稿を行いました。 本投稿の前提です。
参考:(イラク占領政策の未来を覗く
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/607.html)
占領政策が無限に困難な理由
http://www.asyura.com/2003/war24/msg/1051.html
もしかして米国中枢は大チョンボをしでかす?
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/298.html)
1. (合理的政策)
民生、復興に力をつくす。 食料、医薬品等を豊富に供給する。 石油の廉売を止め、国際的な標準価格に戻す。 経済制裁を解除する。
これによって民心を平らげ、米国の公正さを強調することができます。
(実際にとられそうな政策)
日本占領モデルからはとられそうな政策です。
しかし、今回は米国の経済状況が異なります。
前大戦終了時は米国が圧倒的な経済力を持っていました。
しかし、今回は、もともと米国の金つまりが戦争の原因です。 すると、イラクに資金を全体として注ぎ込むことは行わないようにも思われます。 米国資金は米国企業ルートで回収し、現地に恩恵をあまり残さないという政策になりそうも気もします(?)。
2. (合理的政策)
形式だけでも国際連合主導体制とする。
これによって、実際は米国支配だが、国際連合を表に立たせることができ、有利なはずです。
(実際にとられそうな政策)
日本占領は実質的に米国が単独で行いました。
今回は、形式的にも国連主導にするつもりはないと考えます。
国連に戦争と占領の「追認」を求めることでお茶を濁すという線ではなかろうか。
3. (合理的政策)
占領体制下の閣僚中の米国人数を減らす。
これも米国だけが突出して目立つことは有利なことではありません。
(実際にとられそうな政策)
米国人ばっかりになりそうです。
4. (合理的政策)
もし戦争犯罪裁判を行う場合には、米軍側の誤爆などについても謝罪し、補償を行う。
米軍側から戦犯を出すことはもちろん国内事情から無理だと思います。 しかし、誤爆への謝罪と補償を行うことも、米国の公正を印象付ける効果があります。 また、イラク占領によって、米国ドル石油本位制を確固たるものにした経済的利益は莫大ですから、補償ぐらいしても良いはずです。
(実際にとられそうな政策)
実行されないと思っています。 イラク側の為政者を裁くだけで終わるでしょう。 もしかするとクウェート侵攻から罪を問うことになるのかもしれません。
5. (合理的政策)
洗脳宣伝は行うとしても、民俗、宗教、金融制度に深入りすることは避ける。
(実際にとられそうな政策)
とりあえず当初は深入りを避けるだろうと考えています。
ただし、ネオコンを野放しにすると、この方面に深入りする可能性があります。 もしそうなったら寄生者から見て「大チョンボ」となるはずです。 ネオコンはトルコ相手の交渉時に、相手の立場や価値観への無理解から大チョンボをした前科があります。
6. (合理的政策)
内戦を避けるために各勢力の融和に尽力する。
(実際にとられそうな政策)
これもなさそうな気がします。
日本の場合には、昭和天皇が終戦の言葉を発し、とりあえず内戦を招くほどの混乱はなしに終戦できました。
イラクの場合には、そもそもフセインも主要閣僚の生死も不明です。
フセインは、放置すればすぐにバラバラになるような種々の勢力を、利益誘導と暴力とを使い分けながら巧みに統合し、統治してきた政治家だと理解しています。 従って、フセインが倒れれば大喜びの勢力は、当然、イラク国内に多数存在しています。 ここに内戦の予感を持つのは私だけでしょうか?
(全体評価)
日本占領は、前大戦の時代の終焉でした。
日本占領政策の舵は復興に向けてきられていました。
イラク占領は、米国の言う「対テロ戦争」の始まりなのか、終焉なのかと言うと、以上の分析を見る限り「始まり」の可能性が高いと言えます(もちろん実際に大戦が始まるかどうかは、国際世論、特に日本人の対応にかかっています。 あくまで寄生者の意図は前記のようなものであろうという推測です)。
今後の成り行きを見ていきたいと思います。