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(回答先: 質問の回答・その他補強 投稿者 マルクスの恋人 日時 2003 年 4 月 04 日 01:53:42)
私見で「あまり依拠して論じるべきでない」とする陸戦法規の問題ですから、その意味で、末梢的議論になりますが、一応、群民兵の要件です。条約締結時の日本外務省の公式翻訳があると思いますが、断片を除いて、ネットで簡単に検索できません。英文失礼(出典はhttp://www.yale.edu/lawweb/avalon/lawofwar/hague02.htm)。
Article 1
The laws, rights, and duties of war apply not only to armies, but also to militia and volunteer corps, fulfilling the following conditions:
To be commanded by a person responsible for his subordinates;
To have a fixed distinctive emblem recognizable at a distance;
To carry arms openly; and
To conduct their operations in accordance with the laws and customs of war.
In countries where militia or volunteer corps constitute the army, or form part of it, they are included under the denomination "army."
Article 2
The population of a territory which has not been occupied who, on the enemy's approach, spontaneously take up arms to resist the invading troops without having time to organize themselves in accordance with Article 1, shall be regarded a belligerent, if they respect the laws and customs of war.
民兵を1条で規定し(貴殿の4条件にほぼ相当、正規軍に関する定義規定はない)、それに順ずるものとして、2条で群民兵を定めています。
「ひとりの指揮官」と訳すべきかは、ちょっと疑問ですが、1条1号は「a person responsible..」ですね。
問題は、2条の群民兵の要件ですが、"which has not been occupied" と "on the enemy's approach"で限定されていますから、おそらく外務省的翻訳なら、「占領サレザル地域ニ於テ」、「敵ノ接近ニ際シ」などとなると思います。占領後は、民衆は非戦闘員としての保護を受けるかわりに、占領に抵抗することを禁じられます。
いずれにしても、米英、あるいはイラク側の行為を、このような19世紀末の陸戦法規を根拠に論じるべきでないと考えております。非戦闘員の保護を定める反面に、非戦闘員(戦闘員資格を有しない者)による一定の行為を禁じる内容ですが、すみちゃん氏が最初に書いておられたように、基本思想は、戦闘員と非戦闘員の峻別です。(おそらく、侵略に対する民衆の抵抗には消極的な価値しか見出さない時代の産物です)。
ジハードの非近代性より、ベトナム戦争でも見られなかったアメリカ国防長官の「戦争犯罪」発言の非現代性を笑った方が建設的ではないかとするのが私見です。
なお、現在においては、沖縄の軍用地徴発などを問題にして、陸戦法規を根拠とする返還闘争などが行われているようです。また、当然ながら、すべての条文が規範性を失ったなどとは申しておりません。念のため。