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(回答先: Re: フセイン政権は「民主主義」を語りイラク国民は「民主」を示している − bakaさんへ:フセイン氏はムスリム信仰者ではない − 投稿者 baka 日時 2003 年 3 月 31 日 22:23:53)
bakaさん、レスありがとうございます。
>少なくともバース党にとってはアラブ=イスラムではないということですね? この
>矛盾を衝けないところが米国の弱味でしょうか?
「西欧近代」の暴風を受けた近代アラブ世界は、アラブ(イスラム)風にアレンジした近代主義を基礎として「西欧近代」に立ち向かおうとする勢力(国家)と「西欧近代」と結びついて利権と支配権を確保しようとする勢力(国家)に分かれた見ることができます。
大雑把には、原油資源がないところが近代主義=アラブ社会主義に向かい、その流れに抗した産油国がイラクでありリビアです。
(イランは、シャーを倒してイスラム(主義)に向かいました)
米英が今回イラクを標的とした要因としては、アラブ近代主義を基礎とした国有大産油国であり、中東の中心部に位置していることをあげることができます。
(サウジアラビアの原油利権は米国系メジャーが抑え、クウェートやUAEは英国系メジャーが抑えています)
サウジアラビアは後でじっくり“処分”すればいいと考え、イランは“狂信的な抵抗”でてこずるのでイラク占領支配後に“謀略”で内部対立を激化させればいいと考えたと思っています。
ブッシュ政権中枢は、アラブ近代主義を基礎としたイラクなら、フセイン政権打倒で軍事的圧力をかければ、クーデタで内部崩壊が起きたり、そうでなくても、イスラム勢力の協力を得てフセイン政権を追い詰めることができると甘い見通しを持ったようです。
(12年間の「経済制裁」が国民多数をフセイン政権憎悪に向かせると勝手に思い込んだところが彼らの愚かなところです)
このような意味で、「この矛盾を衝けないところが米国の弱味でしょうか?」は、その矛盾を衝いたつもりが見当外れだったということになります。
(ブッシュ政権中枢の間抜けたちは、歴代の米国政権が行なってきた“宣伝”がイラクの現実であるかのように錯誤したと思っています)
>アラブまたはイスラム世界の分断において、世界経済支配層は巧みであったというこ
>とでしょうか?
19世紀末から「イラク侵略戦争」開始前までは、なかなか巧みだったと思っています。
(イラクに対する「経済制裁」も、良質のイラク原油を温存するという意味では巧みと言えます)
しかし、イスラムの価値観に手を突っ込んで政治・経済制度を変えようと考えた時点で、愚昧に陥りドジを踏むことになったのです。
>少なくとも、フセインは自爆攻撃を禁止しないという点で冷酷だと思います。
この評価は難しい側面を持っています。(フセイン氏のための自爆攻撃という側面は評価から排除します)
100人が自爆攻撃を敢行することで、戦争に勝利できたり、そうしなければ犠牲者が1000人増加するかもしれない状況をなくすこともできます。100人が自分の命を捨てる攻撃を仕掛けることで、差し引き900人のイラク人生命が助かることもあるわけです。
違った見方をすると、戦闘の場合は偶発的に死を迎えるのに、自爆攻撃は端から死を迎えるのだからかわいそうだということもできます。
圧倒的な空軍力と火力を誇っている米英侵略軍には、自爆攻撃は有効な戦術だと思っています。(検問所の自爆攻撃が大きく取り上げられていますが、それ以前に、戦車に突っ込む自爆攻撃が行なわれて戦車を破壊しています)
米英侵略軍は地上兵力12万とされていますから、イラク側が一人一殺で12万人自爆攻撃を敢行すれば、米英侵略軍は壊滅することになります。
これは、戦闘局面ではあり得ないことですが、それを厭わないイラク人などが12万人いれば、米英がもくろんでいる占領支配は無理だということになります。
>>「「言論の自由」こそ悪魔崇拝者の所業だと思っています」
>その理由について御教示頂ければ幸いです。
『「寄生性」&「知的謀略」が国際金融家や国際商人の“危険因子” − トヨタなど日本の国際商人(輸出優良企業)も“危険因子”を持ちつつある −』( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/737.html )で基本的なことを書いたつもりです。
言論(思考活動)は、自分を含む共同体をよりよくするために使われる人間の一つの活動だと考えています。
言論が、他者を陥れたり、他者を自分のために支配するために使われるような事態は規制(自制)すべきだと思っています。
コーランを読めばわかりますが、本心とは違う口先だけの言動や嘘や傲慢に基づく言動を厳しく諌めそれに注意するよう呼びかけています。
みだりに妄言を吐いたり、虚言でひとを騙すような言動は、自由に認められるべきことではないと思っています。
(中東地域は国際商人の発祥の地とも言えるところですから、口先巧みに相手を騙すということがけっこうはびこっていたのでしょう。それを共同体の害毒と考えたことから、イスラムでは「言論統制(自制)」が強く打ち出されたと推察しています)
>「フセイン氏は、それだけで偶像崇拝を徹底的に忌避するイスラムに照らせば不信心者です。」
bakaには思い到りませんでした。国中にフセインの看板が存在するのに、国民の反感を買わないのは、イスラム教徒たるイラク国民の矛盾と思います。それだけ、近代化されているのでしょうね。
>>「だから、フセイン政権がアルカイダと手を結ぶことはないのです。」
>論理としては正しいと思いますが、本当にアルカイダ=イスラム原理主義なのでしょうか?
「イスラム原理主義」をイスラム復古派とするのなら、アルカイダはそれを志向している勢力だと思っています。
もちろん、アルカイダのなかに相当の割合で米英支配層のエージェントが入りこんでいる(いた)と思っています。
>それなら、米国人よりもアラブ人に親しみを感じるのですが、聖戦という考えには抵
>抗があります。そもそもコーランに自爆攻撃を肯定するような記述はあるのでしょうか?
自爆攻撃を肯定する記述はありませんが、イスラム及びイスラム共同体を敵から守るために命を賭けて戦うことを信仰者の義務としそれを高く称揚しています。