現在地 HOME > 掲示板 > 議論9 > 483.html ★阿修羅♪ |
|
「米英軍撤退という選択肢がとられることはない」
あっしらさんやビルダーバーグさんなどの見識ある方々が、米英軍の戦略的敗北を唱えておられます。
私も彼らの素晴らしい論考(参考として後で列記)を読むと、「なるほど」と思います。
゛ 米英の戦略的失敗は私も同意致します。
もはやイラクではまともな統治は無理と考えるのが常識でしょう。
しかしです。 米英軍がバクダッド侵攻なく撤退するという選択肢をとることはなかろうと感じております。 最近、あっしらさんに一蹴されちゃったんですけど(笑)、性懲りもなく、また書かせていただきます。
最初にお断りするのが良心的ですね。 私はSilent Rearsさんのような軍事知識はありません。 私の方法は、○論理的モデル、○過去の歴史モデルとの比較対照から未来を探るというものです。 ようするに霊感に毛が生えたレベルです(情けない話ですが、それだけです。下手に理屈を考えると外します)。 ですから、戦術的側面に言及するのは、無責任になるので原則として行いません。
それでは始まり。 米国中枢の行動はもはやメチャメチャです。安保理分裂、国連決議の牽強付会的解釈、テロ防止と称して証拠提示なしの「予防戦争」、開戦と同時に元首爆殺作戦など、いずれも近代国家の行動としては逸脱しています。 これを「無法警察国家」とでも呼びましょうか。
参考 (本当に米英軍撤退なんて選択肢があり得ますか?
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/411.html)
この無法は筋金入りです。 最強覇権国(米国)の無法行動によって、国際法の運用は劇的に変更されたと思われます。 米国については、無茶をやってもオーケー(事実上合法)ということになったわけです。
参考 (無法の時代が到来した−法の論理に基づいて未来を覗きました
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/576.html)
イラク「侵略」戦争も、この「無法警察国家」路線の露頭に過ぎません。
無法警察国家路線をいったんとった以上、敗北はできません。 敗北して面子を失ったら終わりです。 この警察はもともと無法警察ですから、力がなくなったと見られたら、もう誰も言うことを聞きません。
(米国に対してどの国も表立って逆らわないのは、もちろん怖いから、そして経済的に不利益を被るからです。 米国の言い分が正当だからではありません。)
このように考えると、現段階で「政治的撤退」を行うことも考えにくいと思われます。 ネオコン3人組を切ることはあるでしょうが、だからと言って今更方針転換はできないと「寄生者」は考えているのではないか。
なぜなら、現段階での「政治的撤退」は、「無法警察路線」に終止符を打ってしまうからです。
こうなると、もはや米国への資金集めができなくなります。 特に信者の多い日本からの資金集めに障害が出てきます。 そうなると、米国への資金還流構造が脆弱化し、更に軍事力維持が困難になるという悪循環にはまり込みます。
「寄生者」の立場から見てみましょう。 寄生者にとって現在の世界で「処分」を必要とするのは二つです。 イスラム法支配地域の価値観と石油、そして日本の経済力です。 寄生者は、これらの要素から今後10年単位で徹底的に収奪を行うことを決定しています(この理由は後日)。 そのためには、「中東大戦」と「日本からの戦争資金調達」という組み合わせが絶対に必要です。 また、日本が絶対に「独立路線」をとらないように念入りに緊縛する必要があります。
現時点でのイラクからの撤退は、まさにこの世界戦略に取り返しのつかない欠陥をもたらすと考えます。 寄生者は利口なだけではありません。 貪欲、強欲です。 このような選択肢はとらないだろうというのが私の考えです。
しかし、確かに米国中枢の馬鹿げた「大チョンボ」によって、戦略的にイラク実効支配が困難になったことは確かです。
それでは寄生者はどのように考えるでしょうか?
私は、ここで「日本占領体験」を「補助線」つまり「歴史モデルとして設定する誘惑にかられます。
この観点からは、既に以下の投稿をしました。
(イラク占領政策の未来を覗く
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/607.html)
この投稿で指摘した「ショーウインドウ的支配条件」は破られたようです。
すると、あまり考えたくないことですが、更に大部隊を派遣すると共に、大量殺戮兵器を使用するという選択肢をとるだろうと考えます。
日本ではどうだったんでしょうか? 東京大空襲で10万人以上の都民を焼き殺したルメイは、天皇陛下から勲章を授与されました。
ヒロシマ、ナガサキ等で前代未聞の一般市民大虐殺を行いました。
しかし、終戦後の米軍は解放者として歓迎されました。
日本人は食うことで頭がいっぱいだったようです。
この「成功体験」は、彼ら寄生者の頭脳に深く巣くっていると想像しております。
このモデルで考えると、寄生者は大量殺戮兵器を投下するだろうという結論になります。
次に、第二次世界大戦争当時と異なる点は、マスコミがイラク内で一応監視しているという点です。 この問題はあっしらさんが重要点として強調されていました。
確かにそうなんですが、別の見方もあるように思います。
マスコミの管制はかなり可能なのではないかという点です(情けない話ですが)。
テレビは諸刃の剣です。 決して現場の全体を写実するわけではありません。 例えば米軍兵士の大量死が放映されたりしたら、流れが変わり、大量殺戮兵器やむなしという雰囲気になりかねません。 必ずしもイラク側に有利というわけではありません。
市街地に投下するということはさすがに考えにくいですが(テレビクルーも多数おりますしね)、戦場なら躊躇なく大量殺戮兵器を使用する状況になるのではないか。
これと共に、イラク軍の大量殺戮を世界に放映することによって、米軍の強さを世界に見せつけることができる、というようにも(寄生者が)考えていると思います。
情けない話ですが、それを見て、米軍は強いから安心だ、といった理解をする人々すら多数存在するというのが現実だと見ています(私は同時代人に対して過度に悲観的なのかもしれませんね、と一応断っておきましょう)。 特に日本人にはこのようなパターンが多いと私は認識しております。
以上の状況下において、現時点でイラクから米英軍撤退決定を、ネオコンはもちろんのこと、寄生者が下すとは思えないのです。
占領下イラクではまともな統治は無理ですね。
これについては私も良く分からないんですが、寄生者は「占領下日本とのアナロジー」から楽観しているんじゃないかと思っています。
従って、占領初期は非常に潤沢な物資供給などの「アメ」をなめさせるという方針でしょう。
しかし、イラク国民は、「石を投げながら」物資を受け取るんでしょうね。 たぶん。
少なくともネオコンの方々の人生観は、人間すべて物と金というものらしいです。 トルコ相手の交渉でも札束を振り回し、脅迫すれば言うことを聞く、言うことを聞かないのはもっと金が欲しいからだという「交渉」を行っていました。 私はとても驚きました。 このあたりからして無知をさらけ出していたからです。
しかし、良く考えてみると、こういうネオコンを育成したのは、まさに戦後日本人だったのかもしれません。 日本相手ならこういう交渉でも通用するんでしょうからね。 そう考えると複雑な心境になってしまいます。 駄文失礼しました。
参考論考 : 「イラク侵略戦争」のゆくえ】 開戦前からは大きく変わった「バグダッド陥落」の戦略的意義 − 「バグダッド攻防戦」に至る前に政治的決着を −
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/359.html 投稿者 あっしら
【「イラク侵略戦争」の戦況】 ばったり途絶えた「戦況報告」の裏側(実態)を読む − 米英侵略軍がバグダッドまで到達できずに敗退する可能性 −
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/447.html 投稿者 あっしら
戦略なきダブヤのイラク侵攻
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/463.html 投稿者ビルダーバーグ