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(回答先: 共産圏も「パックス・アメリカーナ」の手のひらの上 − 米国的「戦後世界」解釈からの脱却を − [Mr.Xさんへ] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 25 日 18:22:07)
>東欧諸国は、ソ連にとっては西欧諸国に対する“防波堤”であり、いわゆる自由主義諸国にとっては復興負担をソ連に押し付ける対象だったのです。
前半は陳腐な意見だが、後半は面白い。共産主義陣営擁護にこういうモノの言い方ができるのかと参考になった。普通は、「成果を山分けした」と表現するところだが(笑
>ソ連は、すがってくる反米欧国家(勢力)になにがしかの支援ができるとしても、自分たちの価値観や政治・経済理論を世界化する力はなかったのです。
米ソ対立を現在の視点から総括すると、結局はそういうことになるのだろう。
>米国支配層は、世界経済の変化のなかで、まず中国融和策をとり、最後にはソ連との“和解”を果たし、旧共産圏を“継子”としてではなく“仲間”として「パックス・アメリカーナ」に取り込んだのです。
>戦後世界は、圧倒的な経済・政治・軍事の力を誇る米国の現実主義(ご都合主義)政策によって秩序が維持されてきた「パックス・アメリカーナ」だったのです。
その理解で異存ない。つまり議論の真の対立点は、WW II後一貫して拡大を続けてきた「パックス・アメリカーナ」(史実は、”パックス”どころではなく、コールド・”ウオー”だったが決定的な対立点ではないので措く)が、イラク戦を契機として本当の意味のパックス・アメリカーナとして展開するのか、その逆にアメリカの没落を契機としてアメリカ中心の国際社会秩序維持のバランスが崩壊への道を歩むのか、という点にある。言い換えれば、「ポスト・ウエストファリア的米帝国史観」vs.「米帝国崩壊史観」とでも言うような対立。
双子の赤字を抱え、財生産活動に変調を来たしたアメリカに「パックス・アメリカーナ」を支える経済力はないという批判だが、かつての大英帝国とアメリカの強さの違いに注視が必要。アメリカは単なる大金融国家ではない。財生産の基盤になるソフト部分を広範に押さえている。基本線としては労働集約的な財生産を国外に転出・委託しているに過ぎない。見た目には派手な経常赤字だが、多くの米国経済学者があまり問題視しないのはなぜか、考えてみるべきだ。また、最大の強みは、いよいよとなったらルール・チェンジができることだ。