現在地 HOME > 掲示板 > 議論9 > 343.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 政治力&軍事力によって経済論理を超えることはできず、経済力なくして覇権(政治力&軍事力)を維持することはできない 投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 24 日 17:45:20)
ソ連を始めとする共産主義諸国が無視し得ないチャレンジャーとして存在したWW II後の世界は「パックス・アメリカーナ」ではない。「米ソ勢力均衡による世界秩序維持」が正しい認識。
ソ連崩壊に反面教師的に観察されるがごとく、世界覇権の維持に経済力が必要なことは論を俟たない。それゆえに自国主導の金融グローバリズムを世界中に網の目のように張り巡らし、先進分野のテクノロジーと知識を独占するなど、80年代以降、アメリカは既に着々と手を打っている。アメリカ一国のみが凋落し、他国は大丈夫など、幻想に過ぎない。必要に迫られ、アメリカがその気になりさえすればアッと驚くルール・チェンジも一朝にして実現可能。ニクソン・ショックやプラザ合意は遠い昔の御伽噺ではない。
中ロは今後アメリカの力を必要とすることはあっても、反目して得する事は何もない。EUは半人前国家の寄せ集めに過ぎない。突っ張り続けると決して得しないことなど狡猾なフランスなどは計算済み。核の傘と文化的劣等感で首根っこを押さえられている日本は放っておいてもアメリカに付いてくる。
以上のように今後の枠組は、大きく言えば17世紀以降のウエストファリア体制の崩壊であり、アメリカを帝国とし他国を従属国とする中世的世界の再現と見るのが正しい。この潮流を見誤り、反動的なリアクションを起こす国は全て没落する。
「国家単位で覇権や世界秩序を考える世界観に囚われ」るな、との視点は、軍事的に突出したアメリカがさらに集権化してゆく今後数十年のトレンドを見誤らせる恐れがある。
さらに重要な点は、アメリカの大義名分が失われていない点(例えば、テロに対する文明や民主主義といった構図)。今のイラク戦争の構図が全く逆で、アメリカがテロ・独裁国家、イラクが民主国家なら、イラク側に立って参戦する国すらあるだろう。