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(回答先: Re: 「反戦」と「反米」―日本人こそ人類の敵 投稿者 Mr. X 日時 2003 年 3 月 24 日 05:28:01)
Mr.Xさん、お久しぶりです。
「パックス・アメリカーナ」という呼称を使うのなら、第二次世界大戦後世界にこそふさわしいもので、“イラク後”ではありません。
今日に至る戦後世界史は、「パックス・アメリカーナ」の確立と衰退の過程として刻まれてきたものです。
米国の覇権は、経済力・政治力・軍事力という三位一体から、80年代に政治力・軍事力の片肺飛行に移行しました。
片肺飛行でも覇権を維持できたのは、紙切れでしかないドルが国際基軸通貨の地位を維持できたからであり、日本を中心とした経常収支黒字国がドルの還流でそれを支えてきたからです。
米英政権が、9・11以降、軍事力を行使して世界構造の再編に乗り出したのは、米国の覇権=「パックス・アメリカーナ」が崩壊することを見越したからに他なりません。
米英政権の実質的な支配者は、米国であれ、英国であれ、支配している国家がどうなるかを主要な関心とはしていません。
自分たちの経済権益がどうなるかが主要な関心であり、英国や米国の覇権がそのために有効なもの役に立つものであれば、英国や米国の覇権を盛りたてるというものです。
「近代経済システム」においては、政治力&軍事力で経済論理を超えることはできません。(略奪や奴隷化で経済権益を増大できるわけではありません)
そして、経済力なくして、覇権維持の条件である世界展開力(政治力&軍事力)を維持することはできません。
9・11以降の米国政権は、必然的に崩壊する「パックス・アメリカーナ」に代わる新世界秩序を確立するために、軍事力を行使しています。
それは、米国政権が、自ら米国の覇権崩壊を加速化する過程とも言えます。
米国は、地域大国の地位に甘んじることを押し付けられる(自ら選択する)ことになります。
国家単位で覇権や世界秩序を考える世界観に囚われたままだと、これまで、そして、今後の世界を見通すことはできません。