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(回答先: 英米主導の世界超帝国の地球上での樹立について 投稿者 書記長 日時 2003 年 3 月 24 日 20:16:42)
確認しておかなければならないのは、アメリカが少なくとも体裁の上では国際法無視のROGUE NATIONにはなっていない点。イラク攻撃の法的根拠は当然ある。もしそれがなければ、アメリカは国連を脱退したであろう。逆に言えば、その場合はフランスもドイツもあそこまで突っ張りつづけることはできなかった。アメリカの参加しない国際組織がいかに無力なものかは国際連盟の例を見るまでもない。
今やシラクは、イラクが化学兵器を使用し自国の参戦名目が成立する事を心の底から願っていることだろう。911がNYやワシントンではなくパリで起きていたなら、フランスは他のどの国が反対しようとも、自国にとって脅威となりうる国に(例え第三国から見ると証拠不充分に見えても)迷わず宣戦布告したことだろう。アメリカがショート・テンパーでフランスは思慮深い国である、ということでは全くない。
今後のアメリカへの権限集中は、他の地域大国にとって面白くない事態ではあるが、これに逆らうコストは莫大なものになる。宗教上又は思想上の対立軸でもない限り(つまりコストを度外視する誘因のない限り)、深刻な亀裂とはなりがたい。
911以降、アメリカの「世界覇権樹立への策動」に「ズサンさや軽率さが目立」ち、「ひどく急いで強引に事を進めている」ように見えるのは、真の戦争相手が見えないテロ組織だから。相手が国家形態を取っていない以上、SMOKING GUN(動かぬ証拠)など押さえることはできない。AXIS OF EVILで名指しされた諸国には片っ端からレジーム・チェンジを迫るし、テロ組織殲滅に向けた各国への圧力要請はこの上もなく強まる。作戦遂行能力に欠ける国は、AXIS OF EVILではなくても政権の座から退場を命じられることになるだろう。当然ながら、この動きに関連するコスト負担はアメリカ一国でなされるものではない。既にテロ対策を講じるためのコストは、米国内でも極端なほどに膨れ上がっている。