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■ 「構造改革」という政策の虚妄
10年を超える不況のなかで行き着いた処方箋が「構造改革」である。
「構造改革」は、「デフレ不況」の主要因が国際優良企業を除く企業の低生産性にあると認識し、解決策として、労働市場を含む規制緩和や民営化といった自由主義&市場原理的経済政策を示すものである。
そして、「行財政改革」や法人&高額所得者減税+消費税増税といった税制変更を並行的に進めていく政策とされている。
まぐれ当たりはあるとしても、解決策(処方箋)は、“診たて”が理に叶っていなければ、無効どころか害を及ぼすことにもなりかねないものである。
小泉首相がスローガン化している「構造改革」が“誤診”に基づく政策であれば、まともな処方箋であればスポーツを楽しめる人を棺桶に入れてしまう恐れもある。
「デフレ不況」の原因が生産性の低さにあると考える人は、経済論理がまったくと言っていいほど理解できていないと断言できる。
(竹中大臣はそうなのかとんでもない嘘吐きということになる)
低い生産性は、国際競争力の欠如から貿易収支の赤字を招き、それを主因とする国民経済の縮小や実質利益を伴わない物価上昇すなわち悪性インフレの原因ではあっても、「デフレ不況」の原因ではない。
ある国民経済の生産性が同一生活レベルの他の国民経済に較べて低ければ、国内生産財の価格は相対的に高くなり、その国の通貨レートは安くなる方向に変動する。これは、インフレの要因であっても、デフレの要因ではない。(自由貿易で変動為替相場制を前提)
また、建設・小売業・サービス業など非交易財についても、生産性の低さは同質のものを安くないコストで供給することを意味するので、財や用役の価格に下落圧力がかかるわけがない。
(需要不足が、コストを下回る価格を強制したり、需要不足を招く賃金削減をもたらすことはあるが、自然に価格下落をさせるわけではない)
さらに、生産性を競争関係にある国民経済レベルまで上昇させる方法は、生産設備の高度化もしくは(かつ)平均賃金の低下である。
平均賃金を低下させればその分総需要が減少するので、デフレ圧力が加わる。
平均賃金を低下させないで生産性を上昇させるためには、生産設備の高度化に向け技術革新を進めたり設備投資を行なわなければならない。この場合も、総需要が変わらないのに、供給量が増加するので輸出の増加でそれを打ち消さない限りデフレ圧力が加わる。
低い生産性は、インフレや輸出不振(低い国際競争力)に陥る要因であっても、デフレの要因ではない。
このような経済論理は、供給と需要の関係が及ぼす物価変動を考えればわかることである。
生産性が高いということは同じ資本額を投じて産出できる財の物理量がより多いということであり、生産性が低いということは、逆に産出できる財の物理量がより少ないということである。
(生産性は、ある単位量の財を生産するために投入しなければならない資本(通貨)量、もしくは、ある単位量の財を生産するために投入しなければならない総労働量の多寡である。
同一品質の自動車1台を100資本(労働)量で生産していたものが、90資本(総労働)量で生産できるようになれば、生産性が10%上昇したことを意味する)
需要額が同じであれば、生産性が高くなれば財の価格に下落圧力がかかり、生産性が下がれば財の価格に上昇圧力がかかることは自明である。
(但し、通常は生産性が下がるということはない。企業が余剰人員を抱えると生産性が下がったように現象する)
デフレの要因としてよく語られる「供給>需要のギャップ拡大」は、需要額が供給量に較べて少なくなる傾向か、供給量が需要額に較べて多くなる傾向にあることを意味する。
どちらにしても、需要額が同じであれば、供給量が少なくなることでデフレが解消されるということである。そして、同一資本額による供給量を決定する生産性が低いほど供給量は減少するのだから、生産性が低いほどデフレが解消されるということになる。
このように、生産性の低さは、デフレの要因として語られるべきものではなく、インフレの要因として取り上げられるべきものなのである。
こういう説明をしたからと言って、生産性を下げろと主張したいわけではない。
低い生産性を外国と競争しながら短期間で高めることは難しいが、長期にわたる国民的努力で高めてきた生産性は、それを合理的に活かせば、現在のような「デフレ不況」という災厄を招くのではなく、富裕層も貧乏人も総じてより好ましい生活条件を手に入れる条件にすることができる。
生産性の高さこそが国民経済成長の基盤である。しかし、「近代経済システム」が終焉しようとしている現在、生産性の高さを従来とは違ったかたちで活かさなければ、「デフレ不況」という経済災厄に翻弄されることになる。
※ 参照書き込み
『“供給=需要”は「近代経済システム」を考察する根幹』
( http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/1173.html )
「構造改革」という今日的政策は、このようにまったく狂った“誤診”に基づいて打ち出された政策である。
幸か不幸か「構造改革」的政策はそれほど現実化されていないが、少しずつでも進めば、日本経済はより重病になり、最後には臨終を迎えることになる。
■ 「世界の工場」となっている国民経済がデフレに陥る理由
経済論理で考えるよりも、現実の世界を見たほうが、生産性と物価変動の関係はわかりやすいかもしれない。
国民経済を低迷に引きずり込み国民生活を疲弊させるデフレの波は、日本を始源として、中国圏(中国・台湾・香港)に広がり、今ではドイツをさらには米国を襲おうとしている。
覇権国家であり国際基軸通貨国として群を抜く資金吸収力で90年代後半に“好況”を謳歌した米国を除けば、現在、デフレが問題視されている国に共通しているのは、「世界の工場」として国際競争力を誇っていることである。
(米国も、兵器や航空機そして娯楽・金融関連では政治力も支えではあるが抜群の競争力を誇っている。補助金付きではあっても農業も含めることができる)
このような現実を真摯にみつめその要因を探り出さなければ、「デフレ不況」に対する処方箋を書くことはできない。
競争力や生産性が高いが故に「デフレ不況」に陥っているとしたら、「デフレ不況」を解消するために競争力や生産性を高める「構造改革」を行うというのは、自己矛盾であり、自己破滅的な振る舞いになってしまう。
(「デフレ不況」のなかでは、どうあがいても国民経済レベルで競争力や生産性を上昇させることはできないのだが、誤った逆方向の政策を実施してあがけば、個々の企業は一時的にそれらが達成されるとしても、大局的中長期的にはより深刻な「デフレ不況」へと進んでいく)
デフレになる経済論理に照らせば、デフレに陥るというのは産業力の強さの証でもある。
日本・ドイツ・中国圏という現実世界でのデフレ出現状況も、それを示すものである。
小泉政権がそれをどこまできちんと認識しているかはわからないが、「日本のファンダメンタルズは強固である」と説明しているのは正しい。
(小泉政権は、自国経済の強さの活かし方がわからないだけではなく、逆に弱体化させる政策を進めている。そして、主要メディアは、それを日本を再生する「構造改革」だといって誉めそやし、それに反対する人々を抵抗派と呼んで排撃してきた)
経済力が強い故に国民生活が困窮するというパラドックスはなぜ生じるのか。
その一つの要因は、生産性の上昇による供給>需要ギャップの傾向的拡大である。
(生産活動に同じ金額を投入して、従来よりも多くの財を産出するようになったのに、需要額がそのペースで増加しなければ、デフレになるかデッドストックになる)
● 中国のデフレ要因
中国のデフレは、日本やドイツのような21世紀型ではなく、19世紀型である。
19世紀型だと言えるのは、政府公表数字とは言え、7%を超える実質経済成長率を持続的に達成し、企業も設備投資を中心に資本を拡大しているからである。
中国のデフレは、生産性の上昇による供給>需要ギャップの傾向的拡大と実質経済成長が同時進行しているなかで生じており、供給量の増加が輸出量増加+赤字財政支出増加を上回るペースであることが大局的な要因である。
具体的には、低生産性のために競争力を失った国有企業の大量人員解雇による需要減、国有企業債務の不良債権化に伴う融資抑制、地域及び階層間の所得格差がもたらす需要増加抑制(貯蓄は赤字財政支出を担保しているが継続的株式投資や不正蓄財はデフレ要因となる)、国際環境による輸出増加の“抑制”などをあげることができる。
中国のデフレを考えるときには、歴史過程的に生産性が上昇したわけではなく、外資の導入や技術・生産システムの移転で急激に生産性が上昇したという問題を取り上げなければならない。
中国では、長期的な国民経済的循環を経ないかたちで生産性が急激に上昇してきた。
日本企業や台湾及び欧米企業が、現代レベルの生産設備を持ち込み生産を行なっているからである。
生産に使われる生産設備が国内で生産されているのなら、それも需要(額)になるが、外国から持ち込まれるのであれば、新たに雇用される人たちの賃金は需要増要因だが、輸出が思うように増加しなければ供給(量)が大きく増加することになる。
外資や日本のODAによる資金流入がなければ、中国の資金事情からあのような急激な生産性上昇は不可能だった。(国際的には紙切れに等しい人民元をいくら発行しても、日本などから生産システムを輸入することはできない)
中国企業も、外資が持ち込む資金と外資が輸出で稼ぎ再生産のために中国にとどめる外貨があることで、生産性上昇のための輸入が可能になった。
(戦後日本も外国の資金に依存したが、それは借り入れであり、返済を考慮したかたちでの緩やかなスクラップ&ビルドであった)
中国経済の脆弱性は、このような外資依存と資本財輸入依存&消費財輸出依存の構造にある。(これは、そのまま19世紀後半に成長を伴うデフレを経験した米国の姿である)
そして、戦後日本がとってきた米価政策を軸とした農民優遇策や税制を通じた所得平等化政策を投げ捨てた“自由主義”政策がもたらす地域間&階層間の所得格差が政治的混乱を招き、経済構造的脆弱を国家分裂という悲劇的なかたちで現象させかねない危険因子をはらんでいる。
大量の移民を受け入れる余地があった19世紀末の米国と違って、13億人を抱え食糧の輸入依存や危機が顕在化している中国が、20世紀の米国になることはない。
● 日本とドイツのデフレ要因
戦後世界で脅威的な経済成長を遂げた日本と(西)ドイツは、くしくも90年を境に経済的苦境に陥った。
日本は「バブル崩壊」を契機とし、ドイツは「東西統合」を契機とした変動である。
ドイツは、旧東ドイツ地域の“現代化”に膨大な資金負担を行ない財政赤字を積み上げ、それでも旧東ドイツ地域の失業問題を解決できずに10%を超える失業率にあえいでいる。そして、かつて膨大な黒字を誇っていた貿易収支と経常収支も赤字に転じている。
だからと言って、ドイツ企業が国際競争力を失ったわけではない。
自動車・化学・資本財などの分野に名だたる国際企業が揃っている。
日本とドイツの経済的苦境については、<その1>で書いたように、同質性が指摘され、あれこれ非難がましいことが語られている。
デフレという経済事象について説明するならば、ドイツが日本のようなデフレ・スパイラルに陥っていないのは、失業率の高さと失業者など未収入世帯に対する手厚い保護政策のおかげである。
失業者は供給活動に従事しない人たちだから、失業者が多い(400万人超)ということは、供給量の面ではその増加抑制を意味する。
その一方で厚い失業者対策が行なわれれば、需要額はそれほど減少しない。
もちろん、需要額が減少しないかたちで失業者対策を行うためには、財政赤字支出が必要である。(就業者から失業者への所得移転であれば需要額は減少する)
ドイツは、供給>需要というデフレギャップを、手厚い保護を行なう失業者によって緩和してきたのである。
逆に、貿易収支の赤字増加傾向は、供給>需要のデフレギャップを拡大する要因である。
他の国の需要を構成する人たちが生産した財を輸入すれば、需要額の増加がないまま供給量が増加することになり、自国経済には価格下落(デフレ)圧力が加わる。
そのようなドイツも、いよいよ日本と同じように「デフレ不況」に突入しようとしている。
財政赤字に悩み企業経営者からも要請されるなかで、失業者に対する保護政策を削減する方向に動いている。
今回は「デフレ不況」をテーマにしているので、他の問題は端折り、国際競争力を誇る企業が数多く存在する日本とドイツが「デフレの罠」に陥る主要因を説明したい。
主要因は、自国の需要を満たすために外国で供給活動を行なった財を輸入していることにある。
日本企業は、アジア諸国とりわけ最近は中国に生産拠点を移転し、そこで生産した財を日本に持ち込んでいる。(ある時期までの海外進出は、完全雇用の壁を打破するとともに輸出市場を拡大する役割を担った)
ドイツ企業は、東欧諸国やスペインなどに生産拠点を移転し、そこで生産した財をドイツに持ち込んでいる。
企業(資本)の論理としては、同じ価格で販売する財をより安いコストで生産して利益を拡大させるためとか、厳しい競争環境のなかで売れる価格で財を生産するためだということになる。
しかし、それまで自国で生産していたのだから、その生産に従事していた人たちが失業することになる。
失業者は、いかに手厚い保護を受けるとは言っても就業時の所得には至らない。そして、ある年月が経てば、生活扶助を受ける立場に移行し所得はさらに減少する。
生産拠点を外国に移転し、そこで生産された財を自国に持ち込む(輸入する)ということは、需要額を減少させながら供給量は維持するという経済状況を意味する。
つまり、供給>需要のデフレ・ギャップを拡大させることである。
より重要なのは、同じ価格で販売する財をより安いコストで生産して利益を拡大させる目的が一時的には実現できるとしても、需要額の低落により中長期的には維持できないことであり、厳しい競争環境のなかで売れる価格で財を生産するという目的も、需要減でさらに厳しい競争環境を招くだけだということである。
そして、企業自身及び自国経済を破壊する経済行為は、その分、中国・東欧諸国・スペインといった進出先の他の企業やその国の経済の成長に貢献することになる。
強い国際企業が自国籍であるが故に、その企業が外国で生産した財の輸入を抑制しないとことが、強い産業力を誇る日本やドイツが「デフレ不況」に陥ってしまう大きな原因である。
● 米国のデフレ要因
米国は、貿易収支赤字が年間4000億円(約48兆円)にも達している。
貿易収支の赤字は、根源的に供給力(=需要)不足を意味する。
貿易収支が赤字ということは、米国という国民経済が必要もしくは消費している財を自国内では供給できないということである。
多くの米国民は自分の活動力を販売して生活する立場にあるから、供給力が不足しているということは、消費されている財の量に対して“潜在的”に需要が不足していることを意味する。
構造的潜在需要不足にある米国は、貿易収支赤字という“供給過多”によって、供給>需要のデフレ・ギャップに陥るのが合理的である。
そのような米国で「デフレ不況」が顕在化しなかったのは、偏に、外国からの「資本の流入」のおかげである。
6兆ドルを超える連邦政府債務の60%から70%は外国によってファイナンスされている。
また、覇権国家であり国際基軸通貨国家であり最大の需要規模を誇る米国には、証券投資や直接投資のドルが大量に流れ込んでくる。
このようなドルの流入が、米国の供給>需要デフレ・ギャップを緩和しているのである。
9・11以降戦争にのめり込んだ米国は、単年度の連邦財政赤字が3000億ドル(約36兆円)を超えている。株式市場も低迷を続けている。これらは、ドル安を予測させたり投資収益の減少を予測させるものだから、政治的理由を別にしても、ドルの流入を抑制する。
2000年に明確になった「ITバブル崩壊」以後、米国の失業者は確実に増加している。これは供給と需要を同時的に減少させるものだが、貿易赤字の増加傾向に照らせば、供給>需要デフレ・ギャップを拡大させるものである。
米国経済の最終的支えであった住宅需要及び住宅価格の上昇も、いよいよ曲がり角にさしかかったが顕在化している。これは、失業者の増加のみならず、価格が上昇した住宅を担保にリファイナンスして消費に励むという歪んだ米国型経済構造の崩壊を意味する。
(イラク侵略戦争などを通じて中東の原油を支配したとしても、連邦政府の所有にするわけではないので、民間企業の利益拡大につながり蓄財されるとしても、国民経済のフローに貢献するものではない。また、原油取引は既にほとんどドル建てで行なわれているから、ドルが強くなるわけでもない)
輸入と外国からのファイナンス&証券投資に依存しながら愚かな消費活動を謳歌してきた米国は、輸入依存だけは変わらず、ファイナンス&証券投資が減少するという状況を迎えることで「デフレ不況]が顕在化すると予測する。
この問題は、85年の「プラザ合意」で人為的に起こしたドル安政策が貿易収支赤字と財政赤字の増加に拍車をかけたように、ドル安政策で解消することができない。
せいぜいが、輸入する財を、日本製と同等の品質(日本企業だから当然)を安く輸入できる中国製にさらにシフトしていくしかない。
中国人民元はドルに実質ペッグされているから、ドル安の影響をそれほど受けない。
中国製にシフトしていけば、同じドル額で日本製よりも多くの財を輸入できる。
米国政権が中国人民元の“安値政策”に文句をつけないのは、このような経済論理があるからである。
中国人民元が高くなれば、同じ量の財を輸入するためにより多くのドルが必要となり、外国からのファイナンス&証券投資を増加させなければならないことを意味する。
現時点の「ドル安政策」が何より困るのは、ドル建てで膨大な金融資産を保有する銀行家をはじめとする富裕層である。
(本格的な「ドル安政策」が採られるとしても、インサイダー富裕層の退避が完了してからである)
国民多数が「デフレ不況」で苦しもうとも、かつてのようにインフレ政策で利益を拡大させながら不況を打開できるという歴史段階ではない現在、保有するドル建て金融資産の実質価値が増大するデフレは大歓迎なのである。
※ 参照書き込み
『【経済問題を認識する視点】『世界同時大不況』を歓呼の声で迎える人たち』
( http://www.asyura.com/2002/bd17/msg/534.html )
■ その他の先進国
デフレは、フランスや英国など他の先進国も襲うのだろうか。
ドイツや米国よりも遅れるが、デフレ傾向が顕在化すると考えている。
フランスは貿易収支が黒字だから、それを有効に使えばということも言えるが、ドイツと同じように10%の失業率にあえいでいる。そして、ユーロ加盟国として、財政赤字に歯止めがかけられている。
より保護貿易主義に走ればデフレを阻止できる可能性もあるが、それは、輸出の減少も招くことであり、相互主義で相対的に高い財を輸入することにもなるので財政赤字の増加圧力となる。
英国は、貿易収支が赤字であり、表面的な失業率は低い(3%ほど)が長期の経済低迷で就業活動もしない膨大な福祉政策対象者を抱えている。(米国も同様の構造を抱えている)
英国は、“金融ビッグバン”以降、国際金融の利益が消費に回ることでサービス業の活況を支えてきた。英国自身がデフレに陥らなくとも、世界的な不況とデフレが不良債権の増加や金融取引の減少を招き、国際金融の利益を減少させることになる。
これは、国際金融で稼いだお金で浪費する人たちにサービスをすることでお金を稼いできた人が経済的に困窮することを意味する。
また、米国と二人三脚でイラク侵略戦争などの戦争にいそしんでいる英国は、財政赤字を増大させている。
このようなことから、これまでレベルの赤字財政支出で“国民保護”ができないフランスや英国も、世界的な不況やデフレ傾向を受けて、「デフレ不況」に陥ると予測している。
英国は、すでに産業が衰え多くの国民が困窮化しているから、「デフレ不況」から遠い位置にいるのである。
フランスや英国など他の先進諸国は、自国政府の保護政策でなんとか生き延びている企業が大半で、外国に進出して競争に勝てるだけの力がないことで「デフレ不況」に陥らずに済んでいるとも言える。
一方、日本やドイツは、強い競争力を誇る企業を抱えていながらその力を国民経済の成長に活かしていないからこそ、「デフレ不況」に陥っているのである。
※ 参照書き込み
『“デフレ”は「近代経済システム」が根っことして抱えている“宿痾” − 不良債権処理や金融緩和政策でデフレは解消できない −』
( http://www.asyura.com/2002/hasan15/msg/695.html )