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本人が同意していない関連会社への出向の適否が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷は18日、「会社は社員の同意なしに出向を命令できる」との初判断を示し、敗訴の二審判決を不服とする新日本製鉄(東京)の元社員2人の上告を棄却した。
判決理由で亀山継夫裁判長は、新日鉄の就業規則に在籍出向の規定があり、労働協約にも賃金や地位など出向者の利益に配慮した詳細な規定があることを指摘。「生活関係や労働条件で著しい不利益を受けるものではなく、出向命令に権利の乱用はない」と述べた。
一、二審判決によると、新日鉄は1989年3月、合理化策として鉄道輸送部門を関連子会社に業務委託するのに伴い、この部門の141人に出向を打診。八幡製鉄所(北九州市)で働いていた2人は同意しなかったのに出向を命令されたため、これを無効として提訴した。2人は定年退職している。
福岡高裁は99年3月「同意の有無にかかわらず、業務上の必要性や合理性がある限り命令に従う義務がある」と一審に続いて2人の主張を退けた。
ZAKZAK 2003/04/18
http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_04/3t2003041816.html
「労働者の権利の縮小」
労働者の権利は驚くべき速度で縮小しています。
経営者の思惑で首切りをかなり自由に出来るようになりました。
元々わが国の雇用慣行は「期限の定めのない雇用契約は終身雇用である」と言う裁判所の判例に縛られてきました。特に整理解雇をする場合は、整理解雇の四条件と言うのがあり
(1)人員削減がどうしても必要と言う客観的な理由が存在すること、
(2)配置転換の実施など整理解雇を回避すべく最大限の努力を会社が尽くしていること、
(3)解雇される従業員の人選が妥当かつ公平な基準で行われていること、
(4)労働者や労働組合へ事前に説明し協議が尽くされていること、
という厳しい四つの条件をクリヤーしなければ解雇は有効にならなかったのです。それに労働条件不利益変更の法理というものがあって、基本的には経営者が勝手に労働条件を悪化させてはいけないというのが、これまでの判例でずーと積み重ねられてきた雇用慣行でした。しかしながら昨今の不況を背景とした首切りが続出。組合は賃上げ要求の旗を降ろして経営者側が画期的勝利をおさめつつあります。