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「弥生時代の始まりは紀元前10世紀にまでさかのぼる可能性がある」と、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)の研究グループが19日発表した。九州北部の弥生時代初頭の遺跡の土器などを放射性炭素(炭素14)法で年代測定し、従来より約500年も古い数値がまとまって得られた。教科書などで紀元前4〜5世紀に始まったと記され、日本社会の原型ともいえる弥生時代像の根底からの見直しを迫る成果として論議を呼びそうだ。
年代測定の対象となったのは、水田稲作の始まった弥生時代早〜前期の福岡市の雀居(ささい)遺跡をはじめ、福岡県の橋本一丁田、佐賀県・梅白(うめしろ)遺跡など。土器に付着していたススなどの炭化物や水田跡の木杭など30点以上の試料について調べた。
測定値を実際の年代に修正した結果、夜臼(ゆうす)2式、板付(いたづけ)1式として分類される土器の年代が紀元前9〜8世紀に集中。従来、同じ時期とされてきた韓国南部の漁隠(オウン)遺跡の土器など他地域の出土品とも年代が一致した。
日本列島の住人が本格的に水田稲作を始めた時期の土器は、今回の古い数値が出た夜臼2式よりさらに1様式古い夜臼1式とされている。このため研究グループでは「弥生時代の始まり(=夜臼1式の出現)は紀元前10世紀までさかのぼらせる可能性も含めて考えるべきだ」と結論づけた。
調査をした同博物館考古学研究部の春成秀爾教授は「弥生の始まりがとんでもなく古くなる。日本列島で稲作が始まった歴史的背景が全く違ってくる。従来、中国の戦国時代の混乱で生まれた難民が朝鮮半島から稲作を持ち込んだと理解してきたが、その時期が戦国ではなく、西周〜春秋時代になってしまう。金属器流入の状況も考え直さなければならなくなった」と、日本列島が稲作を本格的に受け入れ、劇的に発展した弥生時代前半の歴史像を東アジア規模で見直す必要性を強調した。【伊藤和史、田中泰義】
[毎日新聞5月19日] ( 2003-05-19-19:26 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20030520k0000m040056000c.html