現在地 HOME > 掲示板 > Ψ空耳の丘Ψ25 > 836.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 太田龍の時事寸評:朝日新聞の米国「ネオコン」特集記事(15.5.1)を批評する。 [週刊日本新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 02 日 21:18:24)
投稿 平成15年05月03日01時34分
太田龍の時事寸評
平成十五年(二〇〇三年)五月二日(金)
(第五百六十五回)
○朝日新聞、平成十五年五月二日号、六頁。
ここに、米国ネオコン特集記事の第二回目。
○ここには、「ネオコンの系譜」、なるものが、示されて居る。
○この記事によれば、米国ネオコン派に、三つの主な系譜あり、と言う。
即ち、
(1)アービング・クリストル、若い頃はトロツキスト、冷戦を機に
反共スポークスマン。ネオコンのゴッドファーザーと呼ばれる。
(2)ノーマン・ポトレッツ。その人脈に、ウォルフォビッツ、ボル
トン国務次官。
(3)民主党タカ派の上院議員ヘンリー・ジャクソンのスタッフから、
リチャード・パール、エリオット・エイブラムズなど。
○しかし、こんなとりとめのない浅薄な説明では、どうにもならない
のではないか。
○ここでも、レオ・シュトラウスは出て来ない。
○「ウォルフォビッツの実例が明確に示して居るように、シュトラウス
の一味徒党は、過去三十年間、人脈をもって行動して来た」
(EIR、二〇〇三年四月十八日号、五十頁)、とある。
○つまり、これは、或る種の秘密結社、なのである。
○けれども、この「秘密結社」には、高度な限定、条件が付けられ
て居る。
即ち、
(1)主としてユダヤ系。ユダヤ人でなくとも、ユダヤと親和性
のある人工的ユダヤ的人間。
(2)米国の一流大学出身。そして多くの場合大学院。
(3)レオ・シュトラウスの門下生、又は、シュトラウスの弟子の
門下生として、シュトラウスの政治哲学、政治学を信望する。
(4)その目標は、主としてワシントンDCの米国国家権力中枢に
浸透し、機会が来たら一種のクーデターで、米国の国家権力
機構を乗っ取ること。
(5)イスラエル、とりわけ、その諜報機関、軍、極右シオニスト
と、密接に連携する。
(6)前(5)項との関連において、キリスト教原理主義、又は
キリスト教シオニストと同盟する。
○概ね、主要な性格を、以上の六項目として置く。
○「ウォルフォビッツは、シュトラウス − ブルーム学派の門下生
たちの中で、(首都)ワシントン(米政府関係の機関)に入り
込んだ、最初のグループの一人である」(前出、五十頁)、と言う。
○ここで、「ブルーム」とは、「アメリカ的精神の終焉」の著者
「アラン・ブルーム」のこと。
○レオ・シュトラウスは、約二十年間、シカゴ大学で、政治哲学、
政治学を教え、この間に、百人に哲学博士の学位を与えたが。
○レオ・シュトラウスの高弟、アラン・ブルームが、シュトラウス
のあとをついで、シュトラウス学派を拡大した。
○かくして、一九五〇年代、六十年代、七十年代と、三十年を経過
して米国の政治哲学、政治学、哲学のアカデミズムがシュトラウス
学派によってほぼ完全に制圧された、と言う。
○つまり、米国の首都ワシントンDCの権力中枢に浸透した数十人の
ネオコンは、このようにして、約五十年かかって米国内に構築され
たシュトラウス学派と言う、巨大な氷山の目に見える突端部分、
だったのである。
○このように見てくると、五月一日、二日と、連続して、朝日新聞
に掲載された米国ネオコン特集記事なるものの、なんとみじめで
お粗末、貧寒とした無内容であることか。
と、言わざるを得ない。
(了)
http://www.pavc.ne.jp/~ryu/wjn/frame.html