★阿修羅♪ 戦争9 ★阿修羅♪ |
【ワシントン2日=林路郎】
1日付の米紙ワシントン・タイムズは、米情報機関筋の話として、中国が北部沿岸の海軍基地で、新型の潜水艦発射長距離弾道ミサイル(SLBM)「巨浪2」(推定射程5000―6000キロ)の発射実験準備に入ったと伝えた。中国は先月下旬に陸上発射の新型戦略ミサイル「東風31」の各個誘導多核弾頭(MIRV)化のための飛行実験を行ったばかり。新型長距離ミサイルの相次ぐ実験は、米政権内の対中警戒論をさらに強めることになりそうだ。
同紙によると、実験に使われる潜水艦はロシア製で、「巨浪2」発射用に中国軍が改良した。米情報機関は、中国軍が「巨浪2」の初期実験を昨年10月にも実施したと見ており、今回の実験はSLBM開発を断固進める中国軍の決意を示すものといえる。
「巨浪2」は、「東風31」を海上発射用に改良したもので、両者は基本的に同型。SLBMの開発が加速すれば、現在、中国軍の大陸間弾道弾(ICBM)が射程に収めているとされる米西海岸よりもさらに深く本土を狙える態勢が整うことになる。
米国は先に弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの脱退を宣言。同条約が禁止していた海上配備型ミサイル防衛(MD)システムや、敵ミサイルを発射後間もない上昇段階で迎撃するシステムなどの開発を急ぐ構えだ。MD網については、「中国ではなく、一部の『ならず者国家』からのミサイル脅威への対処」との立場を取っているものの、中国の長距離ミサイル開発と米国のMD開発のいたちごっこは、事実上、両国の軍拡競争の様相を呈しつつある。
(2月2日20:00)