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02/02 14:33 旧ソ連が今は米゛植民地″ 米兵駐留の中央アジア 外信60
共同
暖かな日差しが降り注ぐホテルのロビーのあちこちで、迷彩服の
兵士たちの笑い声が響く。「US AIR FORCE」と縫い込
まれた服を着た大柄な男たちが、ソファでくつろぎながら英語で談
笑するその場所は、十年前までソ連だった中央アジアだ。
アフガニスタンへの軍事攻撃を機に、米軍への空港提供に踏み切
ったキルギス。首都ビシケクでは米兵が街に繰り出し始め、市民の
間に「まるで植民地」と複雑な感情が広がっていた。
「彼らはタリバンからわれわれを守ってくれる。いいことじゃな
いか」。ビシケク市内のバー。午後八時を過ぎると私服の米軍将校
の姿が目立つようになる。バーテンダーの男性は商売繁盛にほくほ
く顔だ。
郊外にある民間国際空港、マナス空港の一角では、大規模な米軍
の物流施設が建設中。簡易テントや大小さまざまな倉庫が並び、星
条旗が悠々とはためいている。
空港周辺の村でも゛米軍特需″に沸く。一リットルで二ドルの激
安自家製ウオツカが「テキーラみたい」と米兵に好評。地元紙によ
ると「われわれの生活のため、百年でも駐留してほしい」という声
が上がっている。
キルギスは米軍とフランス軍に、マナス空港を一年間提供するこ
とを決定。現在は四百人、三月前後には三千人の外国兵が人口五百
万の小国に拠点を構える。アカエフ大統領は駐留延長を示唆してお
り、長期化の可能性が高まっている。
「わがもの顔という感じだね」と市内の大学教授は不快感を隠さ
ない。キルギスに駐留していたロシア軍は一九九九年に全面撤退。
「と思ったら今度は米軍。いったん足を踏み入れたら彼らは出てい
かない」。
一方で好意的な意見も少なくない。男性会社員(49)は「米国
なら、財政面でも将来助けてくれるかもしれない。ロシアは完全に
キルギスを失った」。
キルギス駐留米軍のベックマン報道官によると、現在街に出られ
るのは将校クラスの兵士だけ。しかし二週間後には、空港で施設建
設中の兵士の自由外出も認められそうだという。
米軍駐留の長期化による市民生活への影響について、キルギス大
統領付属国際戦略研究所のボレソベツ主任研究員は「日本人のあな
たが一番良く知っているはずだ」と切り返し、問題の起きていない
国はないと指摘した。(ビシケク共同=有田司)
(了) 020202 1432
[2002-02-02-14:33]