【カイロ小倉孝保】アフガニスタン暫定行政機構のカルザイ議長(首相)は24日、訪問中のテヘランでハタミ・イラン大統領と会談した。カルザイ首相は会談後、「イランは我々の兄弟だ」と語り、イランを「悪の枢軸」と指弾するブッシュ米大統領の姿勢とは一線を画す考えを示した。ハタミ大統領もアフガン復興に全面協力する決意を表明した。
会談後の共同会見で、ハタミ大統領は「イランはアフガン国民と地理的、文化的、宗教的、歴史的な関係を持ってきた。アフガンが現代的で安全な発展を遂げることはイランの国益でもある」と述べた。
米国は「イランがタリバンやアルカイダ戦闘員の逃亡を助けたり、アフガン内の軍閥に武器を提供することでアフガンの不安定化を招いている」と批判している。ハタミ大統領の発言は、こうした批判を意識し、反論したものだ。
一方、カルザイ首相は会見で「イランは単なる隣国ではなくアフガンの兄弟だ。イランはアフガン復興のために強い意思を示してくれている。すべての国がイランのように支援してくれることを望んでいる」と最大級の賛辞を送った。
カルザイ暫定政権は米国の影響を強く受けている。しかしカルザイ首相は「タリバン政権の崩壊で米国の果たした役割は大きい。しかし、アフガンは隣の兄弟国であるイランを傷つけるような国ではない」と語り、イランに対するアフガンの外交姿勢が米国とは一致しないとの考えを明らかにした。(毎日新聞)
[2月25日10時31分更新]