02/22 15:57 暗殺?それとも偶発事件 なぞ深まる航空相殺害 外信72
【カブール22日共同】アフガニスタンのカブール国際空港で、
アブドルラフマン航空相が殺害されて一週間余りが過ぎた。暫定政
権のカルザイ議長(首相)は「タリバンとの戦争当時にまでさかの
ぼる軍閥間の確執が背景にある」として暗殺説を強調。一方、アブ
ドラ外相は、メッカへ向かう航空機の到着が一日半以上遅れ、激怒
した巡礼者が殺害に関与したという偶発説を採っているが、真相は
やみの中だ。
外国からの援助で復興を進めていく上でも、真相を明らかにし国
際社会へ公表する透明性こそが暫定政権に求められている。
「マスード派が関与しているらしい」。事件直後、カブールでこ
んなうわさが駆けめぐった。
カルザイ首相は事件に関与したとされる情報省や技術部門担当の
国防次官など政府高官六人を公表。そのほとんどが北部同盟内の最
大勢力、イスラム協会の故マスード元国防相の地元であるパンジシ
ール地方出身者だった。航空相はタリバンとの戦争当時、イスラム
協会から脱退、ザヒル・シャー元国王派に一時寝返った。その報復
で殺害されたという説が浮上した。
しかし消息筋は「暫定政権に移行している現在、航空相を殺害す
る意味は全くない」と報復説に懐疑的。「別な恨みを買っていたの
では」と推測する。
一方、アブドラ外相は、逮捕者の中に政府高官がいることが即、
暗殺説に結びつくとは言えないと指摘。殺害現場の目撃証言を主な
根拠に、巡礼者らの関与を唱える。
外相は「容疑者三人が航空相の乗った航空機内に入り込み、航空
相を機外に押し出した。その後、航空機を取り囲んでいる巡礼者を
含む大勢が事件にかかわった」と事細かに事件を再現。「政治的陰
謀とか事前に計画されたものではない突発の事件」としている。
(了) 020222 1556
[2002-02-22-15:57]