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【ワシントン31日=林路郎】ラムズフェルド米国防長官は31日、ワシントンの国防大学で演説し、極東と中東で同時発生する大規模紛争に勝利するための戦力構築を定めた「2正面戦略」について、「(テロ攻撃などの)予測不可能な脅威に対処できない。放棄することを決めた」と述べた。2正面戦略の見直しについては、昨年10月の国防計画見直し(QDR)でも言及されていたが、「放棄」が明言されたのは初めて。テロ攻撃や大量破壊兵器の脅威に対処するため、米軍が、大規模紛争を前提とした冷戦直後の戦力構築を改め、より機動的で柔軟な軍への変革に着手することを示したものだ。
2正面戦略は、旧ソ連を想定した戦力構築が冷戦後の安保環境に合わなくなったことから、極東、中東での同時大規模紛争に備えた軍備を目指すとした方針。
長官は、21世紀初頭の新たな戦力構築について、機動性と柔軟性を重視するとし、<1>外国の首都進攻、体制転覆などを1か所で行う<2>2か所で侵略勢力を短期に撃退する<3>極めて重要性の高い4地域での紛争を抑止する――ことを同時に行える戦力再編計画を明らかにした。
再編計画は特定地域での紛争を前提にしていない。極東有事などの場合には、大規模紛争に備えた合同軍や、本土から長距離攻撃を行う航空戦力などが柔軟に運用されると見られる。
長官はまた、「数年内に米国への奇襲攻撃がありうることには疑いがない」と述べ、20年ぶりの伸びとなる見込みの03会計年度(今年10月―来年9月)国防予算案で、本土及び海外駐留米軍基地の防衛、ハイテク兵器の積極開発及び増産、4軍の合同作戦能力など機動力向上――を柱とする軍近代化計画に着手する方針も表明した。(読売新聞)
[2月1日11時14分更新]