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米国防総省が真偽にかかわらず各国報道機関向け情報提供の露骨計画で苦言呈す 投稿者 木村愛二 日時 2002 年 2 月 20 日 11:21:13:

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『亜空間通信』164号(2002/02/20)
【米国防総省が真偽にかかわらず各国報道機関向け情報提供の露骨計画で苦言呈す】

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 転送、転載、引用、大歓迎!

 CIAやモサドなどの謀略機関の実績を知らない自称平和主義者には困ったもので、それを詳しく論じようかと思っていたところへ、格好の材料が転がってきた。

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米国防総省、外国世論への働きかけ強化を検討[ニューヨーク19日ロイター]
投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 2 月 19 日 22:00:59:

 米国防総省は、諸外国の世論や政治家らに影響を及ぼすための新たな方策の一環として、各国報道機関向けにニュースや各種情報をその真偽にかかわらず提供する計画にある。ニューヨーク・タイムズ紙が伝えた。

 この目的のために最近新設された部局”Office of Strategic Influence”では、非友好国での情報提供のための日常活動を拡充する方針。中東やアジア、さらには西欧の友好国でも情報提供を強化するという。

 同部局は、昨年9月の同時多発テロ直後に設立されたもので、テロとの戦いで、特にイスラム圏諸国での米国に対する支持が失われつつあるとの懸念に対処するものと、同紙は指摘している。

 しかし、この計画はホワイトハウスの最終承認を得ておらず、一部には、国防総省の広報担当者が提供する情報への信頼が、これにより損なわれる可能性もあるとの指摘があるという。

★国防総省の広報担当者が提供する情報への信頼が、これにより損なわれる可能性もあるとの指摘⇒ププッ、哭けるぜ。

 以上で引用終わり。

 この「真偽にかかわらず提供する」「外国世論への働きかけ」計画を見て、すぐに思い出したのは、第一次世界大戦でイギリスが流したデマ宣伝である。ドイツ軍が死体からグリセリンを取り出していると称する映像を、イギリスの情報部が香港経由で流して自国に環流し世界に広めたもので、戦後にイギリス政府がドイツに謝罪した。

 上記のニューヨーク・タイムズ紙報道に関しては、日本の大手メディアも報じ、以下に抜粋するような論評をしている。

 戦時に敵国に対する放送やビラまきによる宣伝戦は古くから行われているが、アジア、西欧まで含めた同盟国に対して仕掛けるのは異例で、国防総省内でも問題点を指摘する声が上がっているという。 (読売2月19日22:03)

 以上で引用終わり。

 しかし、この読売の特派員記者の知ったか振りの論評は、完全な間違いなのである。謀略の対象は、早くから、同盟国どころか自国民にも広がっているのである。この読売の記者の病状などは、以下に抜粋する部分の「脳天を射ち抜かれるのだが、痛みを感じることもなく、自分が射たれたことに気づきもせず、見事に『歪め屋』の仲間にされてしまう」症例に相当するのである。

 もともと、CIAどころか、アメリカどころか、戦争に謀略が付き物であることを学んだことのない駆け出しのジャラジャラな砂利ストっこどっこいが、偉そうに戦争を報じたり、それをまた、また聞きで齧っただけのアカデミー業界の商売人などが偉そうに理屈を付けたり、それがまたジャラジャラと環流したりするものだから、アメリカに取っては持って来い、やり放題の世界環境が出来上がっているのである。

 以下、10年前の旧稿から関係箇所を抜粋する。
 http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw.html

『湾岸報道に偽りあり/隠された十数年来の米軍事計画に迫る』

序章:帝国主義戦争と謀略の構図

 アメリカ人は単純ではない。一般庶民は別として、支配層はなかなか悪賢い。ギャングとマフィアの国の住人でもある。「リメンバー……」スタンスにだまされてはならないのだ。

 アメリカに惨敗した後の日本の教育では「リメンバー・パールハーバー!」だけしか教えられなかったが、アメリカはイギリスから独立した直後から西へ西へと原住民の土地を奪う征服の戦いを繰り広げ、その際、いったん書面で結んだ条約を次々に難癖つけては破り捨てていた。

 元陸軍大尉、自衛隊の陸将補で退職した上村健二の著書『アメリカ謀略秘史』の記述を追うと、メキシコからテキサス州を奪う時に「アラモを忘れるな!」と叫んだのが、「リメンバー……」スタンスのはじまりらしい。アラモの伝導所を砦として「独立運動」を起こしたのは、アメリカからの移住民であった。本来はメキシコ領土のテキサスでの出来事なのだから、「内乱」として鎮圧されるのは当然の成行きであった。アメリカの介入の方が不当だったのであり、「独立運動」にはヤラセの疑いがあった。

 スペインからカリブ諸島やフィリピンを奪う時には「メイン号を忘れるな!」をスローガンにして、国民の戦意を煽った。「メイン号」はキューバのハバナ港で「原因不明」の爆発を起こして沈没したアメリカの軍艦であるが、軍事専門家の多くは、この爆発をアメリカの仕掛けではないかと疑っている。

 二度の世界大戦でアメリカは、終止一貫、被害者を助ける立場に身を置き、戦後利権の処理では圧倒的な優位を確保した。

第一部:CIAプロパガンダを見破る

「戦争に謀略はつきもの」とは誰しもが認めるところであろう。だが、孫子の時代の「謀略」の対象は、敵国の権力者と軍隊である。その後の社会の歴史的発展に応じて、「謀略」の対象は拡大されてきた。元陸軍参謀の大橋武夫は、その名もズバリ『謀略』という著書で「近代謀略の矢は大衆に向けられる」という項目を設け、次のように説く。

「昔は、国家というものは一部権力者のものであったが、今は大衆のものである。……したがって政治謀略の重点は大衆に向けられ、その手段としてマスコミが重用される。国家が大衆の手に移ったのを如実に示したのは一八七一年の普仏戦争である。この戦争では、フランス皇帝はその全軍とともにプロシャ(ドイツ)軍の俘虜となり、首府パリはプロシャ軍に占領されてもなお終戦にはならなかった。フランス民衆の国民的抵抗がやまなかったからである。……現代の謀略は国民大衆を狙わなければ、その国をゆさぶることはできないのである」

 さらにそれ以前にも、ナポレオンの軍勢に正規軍が敗れ、国王が降伏した後のスペインで、「ゲリラ」の語源をなす大衆の抵抗が勝利している。日本が中国大陸を侵略した際には、大衆の抵抗を押えるための「謀略」を「宣撫工作」と称した。これらの場合に「謀略」の対象として意識された「大衆」は、征服する相手の国の国民である。

 ところが、国家総力戦といわれる段階になると、自国民を戦争に駆り立て、戦争を継続し拡大するためにも、自国民までを対象とする「謀略」の重要性が急速に増してきた。日本の「鬼畜米英」宣伝などは至極単純な構造である。欧米諸国では、すでに第一次大戦でも公然たる反戦運動が展開されているから、権力者側も世論操作の技術を磨かざるを得ず、自国民や味方の国の国民大衆を狙う「謀略」の手口も複雑に発達した。[中略]
 
「嘘、忌わしい嘘」で固めた「軍事発表」は謀略宣伝の必然
 
[中略]
 
 その際、注意しておきたいのは、メディア関係者の位置である。多くの場合、こうした「歪め屋」が放つ弾丸の最初の犠牲者は、いわゆるジャーナリストである。彼らは脳天を射ち抜かれるのだが、痛みを感じることもなく、自分が射たれたことに気づきもせず、見事に「歪め屋」の仲間にされてしまうのだ。かくして「歪め屋」の弾丸は増幅され、大量にばらまかれる結果となるのである。

 以上で引用終わり。

 以上。

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木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
ある時は自称"嘘発見"名探偵。ある時は年齢別世界記録を目指す生涯水泳選手。
E-mail:altmedka@jca.apc.org
URL:http://www.jca.apc.org/~altmedka/
altmedka:Alternative Medium by KIMURA Aiji
Big big name, ah, ah, ah........

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